普及版 字通 「カ(クヮ)(漢字)」の読み・字形・画数・意味
8画
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
戈+(けき)。〔説文〕三下に「踝(くるぶし)をつなり」とするが、はものを奉ずる形。戈を奉ずるのは何らかの儀礼を示すとみるべく、殷器の〔其(ふくきゆう)〕に「に上に(まつり)す」という語がある。また周初の〔麦尊〕に「(諸)臣二百家」とあって、そのような儀礼の奉仕者であろう。その儀器をもといったらしく、周器の〔県(けんきき)〕に「の弋(ひつ)(、戈の柄あるもの)」を賜与することがみえる。文献にみえない字で、〔説文〕にその字を収める経緯を知りがたい。
[訓義]
1. くるぶしをうつ。
2. 古代のまつりの名。上帝をまつる。
[古辞書の訓]
〔字鏡集〕 ツブシウチ・コヱ
19画
[説文解字]
[字形] 形声
声符は咼(か)。〔説文〕十上に「馬喙なり」とあり、〔爾雅、釈畜〕には「白馬脣は(せん)なり。喙はなり」という。その〔注〕に「今、淺色なるを以て馬と爲す」とみえる。
[訓義]
1. くちさきの黒い、黄色の馬。
2. 浅黄の馬。
3. 蝸と通用し、かたつむり。
[古辞書の訓]
〔立〕 カゲノマ・ムマ 〔字鏡集〕 カゲノウマ
[熟語]
驪▶・▶
[下接語]
驕・白・疲・驪・六
12画
[説文解字]
[字形] 形声
声符は咼(か)。籀文(ちゆうぶん)の字形は(か)に従う。〔説文〕十二下に「古のの女、物をするなり」と、(化)の声義を以て解する。伏羲・女の創生神話は南方苗系の伝承するところで、ともに蛇形の神像とされる。
[訓義]
1. じょか。神話上の創造神の名。
[熟語]
皇▶
[下接語]
羲・皇・女・神・聖・霊
10画
[説文解字]
[金文]
[字形] 会意
禾(か)+皿(べい)。〔説文〕五上に「味をふるものなり」とし、禾声の字とするが、金文の字形に禾に(手)を加える形のものがあり、器中に禾を加え、酒を注ぐなどして、酒味を調える酒器である。銘文にとしるした器があって、その形態と器用とを知ることができる。殷器には雄偉の作が多く、根津美術館に蔵する三器一肆のは、特に著名である。
[訓義]
1. 酒器。か。
[古辞書の訓]
〔字鏡集〕 アツモノ
11画
[説文解字]
[字形] 形声
声符は(華)(か)。〔説文〕九下に「山なり。弘農陰に在り」という。五岳の一、西岳。漢碑にはなおの字を用いるが、のち多くを用いる。
[訓義]
1. 山の名。
[古辞書の訓]
〔字鏡集〕 シゲシ・サカンナリ
[熟語]
山▶
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報