精選版 日本国語大辞典 「べい」の意味・読み・例文・類語
べい
[一] 活用語の終止形に、ただしラ変型活用には連体形に付き、推量の意を表わす。
[二] (「べえ」とも。(一)が文末に用いられることが多くなり、終助詞的になったもの)
① 推量の意を表わす。
※本福寺跡書(1560頃)大宮参詣に道幸〈略〉夢相之事「この舟はかただ舟候。御てにあまるべい」
※歌舞伎・傾城金秤目(1792)三番目「『ちょっと逢ってこべい』トのれん口へはいる」
③ 相手に命令する意志を表わす。
※仮名草子・身の鏡(1659)中「其おどり見たくなひ、其役者引こむべいなど、理発げに口にまかせてはき出す」
④ 相手を誘ってする意志を表わす。
※歌舞伎・御摂勧進帳(1773)三立「後(のち)にあふべい」
べい
〘副助〙
※洒落本・呼子鳥(1779)やました八景「なんでも金なら五十両べいのかさだが」
② 体言を受けて限定の意を表わす。べえ。
※洒落本・呼子鳥(1779)やました八景「ばかべいいわしゃる」
べい
〘名〙 (「あかんべい」の略) 指先で下まぶたを押しさげて、まぶたの裏の赤い部分を相手に見せる動作。相手をあざけったり、拒絶したりする意に用いる。また、そのときにいうことば。べかこう。
※随筆・嬉遊笑覧(1830)六下「否と云に目の皮を指にて引てベカともベイともいふ〈略〉〔半井卜養落髪千句〕くれもせぬ花一枝を所望してのぞいてみればべいか紅梅」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報