デジタル大辞泉
「からり」の意味・読み・例文・類語
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からり
〘副〙 (多く「と」を伴って用いる。古くは「くゎらり」「くはらり」とも表記)
① 堅い物が触れ合って出す、高い音を表わす語。
※
古今著聞集(1254)八「車のおとはるかにきこえしかば、〈略〉むねうちさわぐに、からりとやり入るれば、いよいよ心まよひせられて」
② 戸、
障子などを思い切りよくあける音、また、あけ放つさまを表わす語。〔
日葡辞書(1603‐04)〕
※大淵代抄(1630頃)七「四面の窓をくゎらりと開て看るに」
③ 明るく晴れわたってさわやかなさま、また、明るく広々しているさまを表わす語。
④ 性格などが明るくほがらかなさま、また、気持がはれるさまを表わす語。
※火の柱(1904)〈木下尚江〉四「彼様(あんな)竹を割った様なカラリとした方」
⑤ ものがさっぱりとかわいているさまを表わす語。
※玉塵抄(1563)
一九「からりとほしたことを為
二魚鯁
一とあり」
⑥
物事、
様子が一変するさまを表わす語。すっかり。
※俳諧・望一後千句(1652)六「火をともしぬる
観音の前 かれ木にもく
はらりと春の
花咲て」
※五重塔(1891‐92)〈幸田露伴〉二七「翻然(カラリ)と変りし源太が腹の底」
⑦ 残ることのないさまを表わす語。すっかり。
※巨海代抄(1586‐99)下「火を著てくゎらりと焼き払てすてられた」
※はやり唄(1902)〈小杉天外〉八「降出した雨は正午前にからり止んで」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報