デジタル大辞泉
「さっぱり」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
さっぱり
[1] 〘副〙
① (「と」を伴って用いることもある) それまでの気持・気分が晴れて、さわやかになるさま、身なり・
衣服などがはででなく、すっきりして清潔なさま、人や物の性質・態度などがいやみなくあっさりしているさま、味が薄くてしつこくないさまなどを表わす語。
※虎寛本狂言・
呂蓮(室町末‐近世初)「私もさっぱりと致いて、能
(よい)気味で御座る」
※雁(1911‐13)〈
森鴎外〉四「小倉服も〈略〉此男のはさっぱりしてゐて」
② (多く「と」を伴って用いる) あとに何も残らないさまを表わす語。きれいに。すっかり。きっぱり。きれいさっぱり。
※虎寛本狂言・
胸突(室町末‐近世初)「夫
(それ)成らばさっぱりと
元利共にそなたへおまするぞ」
③ (下に
打消の語を伴って) まったく。まるで。少しも。
※
洒落本・無頼通説法(1779)「敵といふものはさっぱりないはづ」
※人情本・英対暖語(1838)二「何だかさっぱりわからなひ」
[2] 〘形動〙
① 気持や気分のさわやかなさま。
※にごりえ(1895)〈樋口一葉〉四「一杯あびて、さっぱりに成って御膳あがれ」
② まったくだめなさま。
※日本脱出記(1923)〈
大杉栄〉外遊雑話「戦争中には随分売れたもんですけれどもね。
此頃はもうさっぱりですよ」
[
補注]
語源は
未詳だが、
語形・
語義の
両面において「さはやか」の「さは」と
同根ではないかと考えられる。「さは」の強調語形として
促音を挿入し、「は」が半濁音化した「さっぱ」となり、「り」が添加した形と考えられる。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報