長崎[市](読み)ながさき

百科事典マイペディア 「長崎[市]」の意味・わかりやすい解説

長崎[市]【ながさき】

長崎県南部の市。1889年市制。県庁所在地。西彼杵(にしそのぎ)半島の一部,長崎半島一帯を占め,海上の伊王島,高島,池島などを含む。中心市街は長い湾入をとりまく丘陵斜面に広がり,1571年ポルトガル船の来航以来急速に発達。崎陽とも。日本最古の貿易港,キリシタン伝道の中心で,1639年の鎖国令後は海外への唯一の窓口として,出島唐人屋敷長崎会所などが設けられ,オランダ・中国貿易で繁栄。開国後は衰微したが,幕末に始まった造船業を中心に第2次大戦後特に発展。しかし,1980年代以降の構造不況の中で,近年は機械,エレクトロニクス産業への転換が進行中。港は日本有数の漁業基地でもあり,水産加工,食品工業が盛ん。橘湾に臨む東海岸には網場(あば),茂木漁港がある。ミカンカステラ,からすみ,真珠,べっこう細工,茂木ビワを特産。1945年8月9日浦上地区に原子爆弾が投下され,市街の3分の1が焦土と化し,死傷者15万に及んだ。1995年被爆50周年を迎え,記念事業の一環として国連軍縮会議が開催された。二十六聖人処刑地や大浦天主堂などのキリシタン史跡グラバー邸や十六番館など明治初年の洋風建築,出島や唐人屋敷の跡,崇福(そうふく)寺,興福寺,聖福寺,稲佐山,風頭山,シーボルト宅跡(史跡),眼鏡橋がある。ペーロン諏訪神社のおくんち(お九日)などの年中行事も有名。長崎大学所在地。長崎本線,長崎自動車道が通じる。2005年1月西彼杵郡香焼町,伊王島町,高島町,野母崎町,三和町,外海町を,2006年1月西彼杵郡琴海町を編入。405.86km2。44万3766人(2010)。
→関連項目浦上崩れ長崎[県]長崎路長崎大学丸山茂木

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