宇久島(読み)うくじま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「宇久島」の意味・わかりやすい解説

宇久島
うくじま

長崎県西部、五島列島の北方にある島。佐世保市(させぼし)に属する。面積24.92平方キロメートル。もとは寺島などの属島とともに旧宇久町(面積26.40平方キロメートル)を形成していたが、2006年(平成18)佐世保市に編入した。玄武岩の台地上に、城(じょう)ヶ岳(259メートル)を噴出した火山島で、台地と火山体の境界線上には、湧水(ゆうすい)による溜池(ためいけ)が分布している。島の東部には長崎鼻や野方(のがた)の台地が広がり、西部には平原の台地が広がっている。人口2878(2009)。

[石井泰義]

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デジタル大辞泉プラス 「宇久島」の解説

宇久島

長崎県、五島列島の北端に位置する平戸諸島の島。面積約24.93平方キロメートル。長崎県佐世保市に属する。壇ノ浦戦い平家が敗れたのち、平清盛・家盛がこの島に渡って領主となり宇久家盛を名乗ったとの言い伝えがあり、島内には関連史跡が多い。宇久氏はのちに五島全体を治めた五島氏にあたる。島南部に市の天然記念物に指定られているアコウ巨木がある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宇久島」の意味・わかりやすい解説

宇久島
うくじま

長崎県五島列島北方の島。西方の寺島とともに佐世保市に属する。城ヶ岳 (259m) を主体とする低平な火山岩からなり,広大な牧野をもつ畜産畑作の島。五島藩の祖宇久氏発祥の地で,江戸時代は五島藩に属した。中心集落の平,および南西部の神浦におもな漁港があり,一本釣り,延縄漁業,貝採取などが行なわれる。北岸一帯は西海国立公園に属する。

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世界大百科事典 第2版 「宇久島」の意味・わかりやすい解説

うくじま【宇久島】

長崎県五島列島北端にある島。面積25km2,人口4379(1995)。五島氏の先祖宇久氏の最初の拠点で,近世は五島藩に属したが,今は属島の寺島,前小島とともに北松浦郡宇久町(人口4379。1995)をなす。宇久町は1955年平町と神浦村が合体改称鐘状火山の城ヶ岳(259m)を中心に,なだらかなすそ野が広がる火山島である。東岸の平港は江戸時代アワビ採取権を許されていた海士アマンシュ集団の港町だったところで,今は島の中心集落をなし,佐世保と結ぶフェリー波止場がある。

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世界大百科事典内の宇久島の言及

【五島列島】より

…列島の胴体部は地塁山地で,その後の沈水により多くの瀬戸や湾入を生じ,美しいリアス海岸をみせる。地塁山地の東側には福江島の鬼岳(おんだけ)火山(315m)や富江溶岩台地が,西側には宇久島小値賀島などの火山島や,京ノ岳火山(福江島北西端,183m)が形成されている。列島は日本の西端にあり,中国大陸に近く,かつて遣唐使の寄港地や倭寇(わこう)の根拠地となり,その遺跡は多い。…

※「宇久島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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