郷党(読み)キョウトウ

デジタル大辞泉 「郷党」の意味・読み・例文・類語

きょう‐とう〔キヤウタウ〕【郷党】

その人の郷里。また、郷里を同じくする仲間。「郷党期待をになう」
[類語]故郷郷里ふるさと郷土田舎在所国もと郷国郷関家郷故山生地生国生まれ故郷地元出生地出身地墳墓の地

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精選版 日本国語大辞典 「郷党」の意味・読み・例文・類語

きょう‐とう キャウタウ【郷党】

〘名〙 (「郷」は一万二千五百家、「党」は五百家からなる古代中国の行政区画) 自分の出身地。郷里。むらざと。また、そこに住む人。同郷の人々。郷里を同じくする仲間。〔文明本節用集(室町中)〕
※河霧(1898)〈国木田独歩〉「郷党(キャウタウ)みな渠が前途成功を卜して其門出を祝した」 〔礼記‐曲礼上〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「郷党」の意味・わかりやすい解説

郷党
きょうとう

郷土意識から生じた同類意識に基づく一種の党派的結合をいう。都市や異郷の地にあっては、同じ郷土(故郷、家郷)に生まれ育ったという「われわれ意識」に目覚め、それを契機に同郷集団をつくる傾向がある。とくに近代に入ってから、都市化が進行するにつれ、郷土意識をもった農村出身の人々が増え、郷党を結ぶ傾向が現れた。それは、たとえば、同郷出身の先輩・後輩の関係を通じての育英、就職などの世話にみられ、あるいは、異郷の地における県人会、学校や企業における県人会などの活動にみられた。今日でも、たとえば国会議員選挙などに、こういった傾向が利用されることがある。もっとも、この党派的結合は今日ではかつてほどには顕著ではないと思われるし、郷土意識そのものも変質しつつある。しかし、近代以降の日本においては、郷土意識が愛郷心から愛国心にまで高められ、国家権力を支える精神的な結合に利用されたことは忘れられない。

[高橋勇悦]

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普及版 字通 「郷党」の読み・字形・画数・意味

【郷党】きようとう(きやうたう)

村里周制で五百家を党、五党を郷という。〔孟子、公孫丑下〕に如(し)くは(な)く、黨は齒(し)(年齡)に如くはし。

字通「郷」の項目を見る

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