(読み)えり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「襟」の意味・わかりやすい解説


えり

衿,領とも書く。首のまわりを取巻く衣服の部分の名称。古くは閉じる,結ぶ,帯びるなどの意があり,衣服の開きを閉じる部分の意に転じた。日本服装史上では中国から伝わった盤領 (あげくび) と,現代の和服に伝わる独自の垂領 (たりくび) とがある。襟に相当する英語のカラーは衣服の部分のみではなく,本来衣服に接続していなくとも,着装の際首に巻きつけるもの,たとえば首飾り,ネッカチーフなどをもさす点でいくぶん意味合いを異にする。また日本では洋装の襟ぐり線 (ネックライン) をも単に襟と呼ぶ場合があり,他方首のうしろの部分 (うなじ,襟足) の意もあって,かなり包括的に用いられている。

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デジタル大辞泉 「襟」の意味・読み・例文・類語

えり【襟/×衿/領】

衣服の首回りの部分。また、そこにつける縁どりの布。
首の後ろの部分。首筋。えりくび。
上着、下着を重ねて着て、一つに前を合わせること。「三つ―」
掛け布団の、首のあたる部分にかける細い布。
[下接語]赤襟裏襟うわ折り襟かく掛け襟せま立ち襟たて伊達だて突き襟詰め襟共襟抜き襟ばち半襟広襟坊主襟丸襟三つ襟
[類語](1カラー

きん【襟】[漢字項目]

常用漢字] [音]キン(漢) [訓]えり
〈キン〉
えり。「開襟
胸のうち。心。「襟懐襟度きんど胸襟宸襟しんきん
要害の地。「襟帯
〈えり〉「襟足襟首裏襟丸襟

きん【襟】

衣服のえり。
胸のうち。心のうち。胸襟きょうきん

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精選版 日本国語大辞典 「襟」の意味・読み・例文・類語

きん【襟】

〘名〙
① 衣服のえり。えもん。→襟を正す。〔漢書‐蘇武伝〕
② 胸の中。心の中。胸襟。〔北史‐韋夐伝〕

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