普及版 字通 「者(漢字)」の読み・字形・画数・意味
者
常用漢字 8画
(旧字)
人名用漢字 9画
[字訓] かくす・もの
[説文解字]
[金文]
[字形] 会意
叉枝(さし)の形+曰(えつ)。上部は叉枝を重ね、それに土を示す小点を加えた形。曰は祝を収めた器。は(と)の初文。住居地の周囲にめぐらしたお土居に、呪祝としての書を埋め、外からの邪霊を遮(しやへい)する意。字の全体を象形とみてもよい。中に埋めた呪祝の字を書という。書はに聿(いつ)(筆)を加えた形。城邑にめぐらすものをといい、城壁の方丈の単位をという。〔説文〕は字を白部四上に属し、「事を別つの詞なり」とするが、それはものを特定して指す意で仮借の義。また、金文の字形は(さい)または曰に従う形で、その系統の字である。
[訓義]
1. の初文、お土居、お土居に埋めかくした呪祝、かくす、遮と通じる。
2. ものを特定していう、もの、人にも事物にもいう。
3. ある状態を特定していう、~は、~のときは、~ならば。
4. と通じ、この。
5. 終助詞として、諸と通じる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 モノ・ヒト・ミギ・ハ・アニ/獵 カリヒト 〔立〕 テイレバ・アニ・ヒト・イハ・モノ・シカラバ
[声系]
〔説文〕に声として、(諸)・書・・(都)・(署)・(緒)・など二十三字を収める。おおむねあるいは書と声義の関係をもつ字である。なお(煮)は〔説文〕三下に(れき)(鬲)に従う字に作り、のちの字形となる。ものを煮る形は庶。廚で鍋を火にかける形。また「遮(さえぎ)る」はもとの初文であるに従うべき字。声符としてと庶(しよ)とが互易することがある。
[語系]
・赭tjyaは同声。はの初文で、土を積んで堅めるので赤土の意があり、thia、朱tjio、赤thjyakはその系統の語である。また()tjia、沚tji、州・洲tjiuは水辺の小高いところ、境界をなすところで、と同系の語であろう。
[熟語]
者矣▶・者焉▶・者回▶・者箇▶・者者▶・者▶・者番▶・者辺▶・者裏▶・者流▶
[下接語]
悪者・闇者・医者・隠者・易者・遠者・縁者・王者・往者・歌者・介者・覚者・学者・冠者・宦者・間者・飢者・者・窮者・御者・馭者・狂者・強者・業者・狷者・賢者・古者・夸者・瞽者・巧者・後者・剛者・豪者・兀者・者・者・細者・作者・粲者・使者・識者・儒者・従者・信者・仁者・聖者・昔者・説者・者・賤者・選者・前者・属者・尊者・達者・談者・治者・智者・著者・帝者・適者・者・禿者・日者・曩者・跛者・覇者・卑者・筆者・貧者・仏者・嬖者・僻者・躄者・編者・亡者・墨者・明者・勇者・憂者・傭者・弋者・羅者・廉者・老者・者・論者
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報