城壁(読み)ジョウヘキ

デジタル大辞泉 「城壁」の意味・読み・例文・類語

じょう‐へき〔ジヤウ‐〕【城壁】

城の周囲の壁や塀。
[類語]白壁白亜粗壁なまこ壁塁壁防壁外壁内壁障壁隔壁胸壁壁面

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精選版 日本国語大辞典 「城壁」の意味・読み・例文・類語

じょう‐へき ジャウ‥【城壁】

〘名〙
① 城のまわりの牆壁(しょうへき)
※近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉八「敵の兵力最も尖く動(ややも)すれば城壁を乗破らるべき勢なるにぞ」 〔五代史記‐南唐世家〕
② (比喩的に用いて) 高いへだて。高いかこい。
※こゝろ(1914)〈夏目漱石〉下「今迄書物で城壁をきづいて其中に立て籠ってゐたやうなKの心が」

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普及版 字通 「城壁」の読み・字形・画数・意味

【城壁】じようへき

城の周辺にめぐらした垣。

字通「城」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の城壁の言及

【城】より


〔日本〕
〈城〉という言葉には,建物だけをさす用語法もあるが,建物の設けられた一定区画の土地とその防御施設も含めた総体をさす用語法の方が正しい。また,居住施設としての比重の高い(たて)や環濠集落,あるいは城壁で囲まれた都市を含める場合もあるが,その場合は城郭や城館という語を用いた方がよい。【村田 修三】
【古代】
 古代の城柵は7世紀中ごろの天智朝以前の神籠石(こうごいし)と,天智朝に唐や新羅に対する防備のため対馬の金田城,讃岐の屋島城をふくむ九州から大和にまで築いた城,8世紀の怡土(いと)城などの西国の防御的な山城(さんじよう∥やまじろ)と,8,9世紀に東北経営の拠点として築いた平城(ひらじろ)または平山城(ひらやまじろ)に分けることができる。…

【城攻め】より

…遭遇戦である合戦に対して,城攻めの特徴としては,第1,第2段階の包囲して接近し,敵に消耗を強いながら戦力のつきるのを待つ点と,そのために多数の職人と人夫が動員された点にあった。【高木 昭作】
[中国]
 前1500年以前の殷の鄭州城のように,早くから土を固めた巨大な城壁が出現していたが,それが黄河中流の平野部に普遍的となるのは前4世紀の戦国時代である。築城や防備の技術も分化進歩し,魯班の名で知られる公輸班(こうしゆはん)が攻城具の雲梯を発明して宋の国を攻めたと伝えられるように,墨子集団はそれに深くかかわったとされている。…

【都市】より

…前5000年のメソポタミア東部中央のジャルモと,パレスティナのヨルダン川西岸のイェリコ,前3千年紀のメソポタミア南部のウルとインダス川右岸のモヘンジョ・ダロ,さらにナイル川や中国の渭水でも前2000年より以前に都市が立地していたことが知られている。これらの都市は宗教的・政治的中心で,神殿と城壁が特徴である。いずれも乾燥地の大河の沖積平野に近い台地の先端に立地し,平野の畑作農業(小麦とキビ)を基盤に成立した。…

【土木技術】より

…また,土木技術は公共的性格の強い技術であるだけに,人間の住み,働くためのよりよい環境をつくり出すのに貢献するものでなくてはならないのは当然である。【八十島 義之助】
[中国の土木技術史]
 土木の語は古く《国語》に見え,今日の建築土木工事を指すが,中国の歴史上の土木技術には,道路,長城,城壁,橋梁(きようりよう),運河,堰堤(えんてい)などの多彩な内容が含まれる。道路建設は早く,《詩経》に西周の都に至る道がうたわれているのをはじめ,《周礼(しゆらい)》には諸国の交通を監督する司険という官があり,各5段階よりなる道路と水路が規定されているように,戦国時代には軍事・通商用の道路が広範に建設された。…

【塀】より

…また,古代ローマのウィラも,もちろん塀や石垣で囲まれていた。 中世の大領主は城郭を居館とし,石造の城壁で周囲を囲んだが,小領主は石垣,木柵,土塁のような比較的軽微な囲いを用いていた。ルネサンス以降,社会が安定するにつれて,城郭は邸宅,宮殿に変化し,城壁に代わって塀や柵の囲いが多くなった。…

※「城壁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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