熊本[市](読み)くまもと

百科事典マイペディア 「熊本[市]」の意味・わかりやすい解説

熊本[市]【くまもと】

熊本県中部,熊本平野の中央にあり島原湾に面する市。1889年市制。県庁所在地。中心市街は1607年加藤清正熊本城を完成,城下町となった。1632年以後は細川氏54万石の城下町として発展。明治維新後鎮西鎮台が置かれ,軍都として第2次大戦に及んだ。古くから豊前(ぶぜん),薩摩,豊後(ぶんご),日向(ひゅうが)街道へ通じる交通要地で,九州新幹線,鹿児島本線,豊肥本線,熊本電鉄,九州自動車道,国道3号線,57号線(九州横断道路)が通じる。消費都市的性格が強く商業が盛ん。工業はかつては中小工場が多く,食品,製材,農機具製造などを行う程度であったが,1960年代末から大手のIC工場が立地しはじめ,現在はシリコン・アイランド九州を代表するIC生産都市となり,熊本テクノポリスの中核を形成する。肥後象嵌(ぞうがん),辛子レンコンなどを特産。農村部では米作のほか野菜,花卉(かき)などを栽培し,都市型農業へと転換しつつある。畜産も行う。熊本大学,水前寺成趣園,加藤清正廟のある本妙寺,スイゼンジノリ発生地(天然記念物),装飾古墳の千金甲(せごんこう)古墳(史跡)などがある。1991年,北部町,河内町,飽田町,天明町を,2008年10月下益城郡富合町を,2010年3月下益城郡城南町,鹿本郡植木町を編入。2012年4月,政令指定都市に移行。中央区,区,西区,区,区を設置。390.32km2。73万4474人(2010)。
→関連項目河内(熊本)熊本[県]熊本大学

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世界大百科事典 第2版 「熊本[市]」の意味・わかりやすい解説

くまもと【熊本[市]】

九州のほぼ中央,有明海に面する熊本県の県庁所在地。1889年市制。人口65万0341(1995)。1991年飽託(ほうたく)郡の飽田(あきた),河内,天明,北部の4町を編入した。県の政治,経済,交通,文化の中心都市。熊本平野の中心にあって白川が貫流し,東部は阿蘇山麓に続く洪積台地,北西部に金峰(きんぽう)山がそびえ,緑と湧水に恵まれている。8世紀中ごろ東部の出水いずみ)地区に肥後の国府国分寺が置かれ,その後南部の二本木に国府が移り,ここが数世紀にわたって肥後の中心となった。

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