史跡(読み)しせき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「史跡」の意味・わかりやすい解説

史跡
しせき

広い意味にとれば、先史時代から現代に至るまでの、人類の活動を示す痕跡(こんせき)(遺構・遺物)を認めうる場所、あるいは由緒のある場所をさすが、法律や条例によって指定され、特別の保護・顕彰の措置を受ける特定の場所を史跡とよび(指定史跡)、それ以外の場所を遺跡とよんで区別する場合もある。古くは一般的に史跡といった場合、前者をさすことが多かったが、最近は史跡と遺跡とを使い分けることが多い。

[田村晃一]

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百科事典マイペディア 「史跡」の意味・わかりやすい解説

史跡【しせき】

文化財保護法によって指定される記念物のうち,日本の歴史の正しい理解に欠くことができず,またその遺跡の規模,遺構,出土遺物等において学術上価値のあるもの。貝塚,住居跡,古墳,城跡,社寺跡,藩学,文庫,関跡,墳墓,碑,旧宅,園池など。特に重要なものは特別史跡に指定される。2013年3月現在指定件数1674(うち特別史跡60)。
→関連項目文化財

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デジタル大辞泉 「史跡」の意味・読み・例文・類語

し‐せき【史跡/史×蹟】

歴史上重要な事件や施設などのあった場所。
文化財保護法に基づいて文部科学大臣が指定する重要な記念物の一。貝塚、古墳、城跡などが対象となる。くに史跡。
[類語]遺跡遺址旧跡旧址古跡古址名跡遺構貝塚城跡城址古戦場廃墟名所歌枕

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世界大百科事典 第2版 「史跡」の意味・わかりやすい解説

しせき【史跡】

一般には,遺跡と同義で,明治時代末期以降現在でもその意味で使用されていることが多いが,1919年の〈史蹟名勝天然紀念物保存法〉以降は,遺跡のうち,特に法律にもとづいて指定保護されているものを指すようになり,現在では狭義の史跡は,国宝,重要文化財,名勝,天然記念物などとならぶ,文化財種別の一つとなっている。 法律による史跡保護制度は,〈史蹟名勝天然紀念物保存法〉により重要な遺跡の史跡指定と,その破壊や現状変更に対する規制その他の制度が定められたのを初めとし,50年,文化財保護法に制度の基本が引き継がれ,現在に至っている。

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世界大百科事典内の史跡の言及

【文化財保護法】より

…文部大臣は,〈有形文化財のうち重要なもの〉を重要文化財に,〈重要文化財のうち世界文化の見地から価値の高いもので,たぐいない国民の宝たるもの〉を国宝に指定することができる(27条)。また,文部大臣は,〈無形文化財のうち重要なもの〉を重要無形文化財に,〈有形の民俗文化財のうち特に重要なもの〉を重要有形民俗文化財に,〈無形の民俗文化財のうち特に重要なもの〉を重要無形民俗文化財に,〈記念物のうち重要なもの〉を史跡,名勝または天然記念物(〈史跡名勝天然記念物〉と総称する)に,かつ,〈史跡名勝天然記念物のうち特に重要なもの〉を特別史跡,特別名勝または特別天然記念物に,それぞれ指定することができる(特別史跡名勝天然記念物。56条の3,56条の10,69条)。…

※「史跡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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