歴歴(読み)れきれき

精選版 日本国語大辞典 「歴歴」の意味・読み・例文・類語

れき‐れき【歴歴】

[1] 〘形動ナリ・タリ〙
① つぎつぎとつらなるさま。整然とならぶさま。
文華秀麗集(818)下・和滋内史秋月歌〈桑原腹赤〉「歴歴衆星皆掩輝、悠悠万象不形」 〔古詩十九首‐其七〕
② あきらかなさま。ありありとみえるさま。はっきりとわかるさま。分明。歴然。
※新撰朗詠(12C前)下「又見不や東郊の秋の風に、歴々たる白楊の声を〈菅原文時〉」 〔崔顥‐黄鶴楼詩〕
身分家柄の高いさま。格式が高く、由緒のあるさま。また、その道においてすぐれているさま。一流であるさま。
史記抄(1477)八「是ほと皆歴々としてよき人たちのわたるは」
威儀を正したさま。晴れがましいさま。また、豪華なさま。
※源平盛衰記(14C前)三九「内には国々の長大名並居たり。〈略〉瀝(レキ)瀝としたる所に、只一人ぞおはしける」
※匠材集(1597)二「よそひ かざる心か。〈略〉れきれきなる事をいふなり」
[2] 〘名〙 ((一)③から) 身分・家柄・官位その他社会的な地位の高い人。由緒があり格式の高い家。また、一般に、りっぱな人。偉い人。「歴」が重ねて用いられているところから複数と誤られて、りっぱな人々の意にも用いられる。よい衆。おえらがた。おれきれき。
※玉塵抄(1563)二三「れきれきの前でしもべのやうに云たはぢをあたえたと思心をそこに以てのちに玄宗に白をざんげんしたぞ」

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デジタル大辞泉 「歴歴」の意味・読み・例文・類語

れき‐れき【歴歴】

[名]地位・身分などの高い人々。その方面の一流の人々。→御歴々おれきれき
日本中から―を集めて」〈鉄腸・花間鶯〉
[ト・タル][文][形動タリ]
物事一目で見え、明らかにわかるさま。「歴歴たる証拠」
身分や家柄の高いさま。
「皆―としてよき人たちのわたるは」〈史記抄・孝文本紀〉
[類語]はっきりくっきりありありまざまざしか明らかきわやか定かさやか鮮やか明瞭めいりょう鮮明分明顕著顕然歴然瞭然りょうぜん亮然りょうぜん判然画然かくぜん截然せつぜん見るから明快平明簡明明晰明白明明白白端的めっきり浮き彫りクリア明確明解自明彷彿鮮烈一目瞭然手に取るようたなごころを指すまがう方ない隠れもない火を見るよりも明らか目に見える言わずと知れたまぎれもない無論勿論もちろん当然当たり前もっとも自然至当元よりご無理ごもっと灼然しゃくぜんまさしくまさに必至疑いなく然るべきすべからく言うまでもない言うに及ばず言えば更なり言わずもがな言うもおろか言をたない論をたない論無し推して知るべし無理もない無理からぬもありなん理の当然必然妥当自明の理それもそのはずもっともっとも至極もっとも千万うべなるかなむべなるかな合点唯唯諾諾首肯うべなう賛成賛同果たして果たせるかな更にも言わず至極のみならず言わずと知れた紛れもない違いないくっきり諸手もろてを挙げる

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普及版 字通 「歴歴」の読み・字形・画数・意味

【歴歴】れきれき

ひとつひとつ明らかなさま。〔文選、古詩十九首、七〕玉衡北斗)孟を指し 衆星何ぞたる 白露、野を沾(うるほ)し 時忽ち復(ま)た易(かは)る

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