截然(読み)せつぜん

精選版 日本国語大辞典 「截然」の意味・読み・例文・類語

せつ‐ぜん【截然】

〘形動タリ〙
区別のはっきりとしているさま。
語孟字義(1705)下「弁別取舎、截然不紊之謂義」
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石一一「水と油の様に夫婦の間には、截然たるしきりがあって」 〔韓愈‐鄆州谿堂詩序〕
② きりたっているさま。

さい‐ぜん【截然】

〘形動タリ〙 (「截然(せつぜん)」の慣用よみ) 区別がはっきりしているさま。
※文壇ギルドの解体期(1926)〈大宅壮一〉一「『素人』と『玄人』との間の截然(サイゼン)たる区別は、封建的手工業者の間でしか見られない現象である」

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デジタル大辞泉 「截然」の意味・読み・例文・類語

せつ‐ぜん【×截然】

[ト・タル][文][形動タリ]
物事の区別がはっきりしているさま。「截然と区切る」
がけや岩壁などが切り立っているさま。「截然たる山岳地帯」
[類語]画然はっきりくっきりありありまざまざしか明らかきわやか定かさやか鮮やか明瞭めいりょう鮮明分明顕著顕然歴然歴歴瞭然りょうぜん亮然りょうぜん判然見るから明快平明簡明明晰明白明明白白端的めっきり浮き彫りクリア明確明解自明彷彿鮮烈一目瞭然手に取るようたなごころを指すまがう方ない隠れもない火を見るよりも明らか目に見える言わずと知れたまぎれもない

さい‐ぜん【×截然】

[ト・タル][文][形動タリ]せつぜん(截然)」の慣用読み

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「截然」の読み・字形・画数・意味

【截然】せつぜん

明確にする。〔滄浪詩話、詩弁〕故に予(われ)自ら量度せず、輒(すなは)ち詩の宗旨定む。且(しばら)く禪を借りて以て喩へを爲し、魏以來を推原し、截然として當(まさ)にを以て法と爲すべしと謂はん。

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