精選版 日本国語大辞典 「一流」の意味・読み・例文・類語
いち‐りゅう ‥リウ【一流】
〘名〙
① ひとつの血統。一族。ある一族。同じ一族。
※吾妻鏡‐治承四年(1180)八月四日「是本自依レ為二平家一流氏族一也」
※太平記(14C後)一九「大将は何れも名を惜む源氏一流の棟梁(とうりゃう)也」
② ひとつの流儀、流派、宗派、学派。ある流派。同じ流派。
※太平記(14C後)二五「大礼の神事無為(ぶゐ)に行はれば、一流の神書を火に入て」
※歌舞伎・小袖曾我薊色縫(十六夜清心)(1859)大詰「然し、きゃつは八重垣流の、一流極めし者なれば」 〔人物志‐接識〕
※金沢文庫古文書‐(元徳二年)(1330)三月四日・金沢貞顕書状(一・四二三)「一流之仁にて候つるに、歎存候」
※吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉七「現今一流の批評家だ」 〔世説新語‐品藻〕
④ ある人、物または流派に限られて他にないやり方。特別。独特。
※仮名草子・都風俗鑑(1681)四「風呂屋者一流、此風に上中下の品あり」
※吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉三「細君は女人一流の論理法で詰め寄せる」
⑤ (「一旒」とも) 旗、幟(のぼり)など一本。ひとながれ。
※多度神宮寺伽藍縁起資財帳(801)延暦二〇年一一月三日「小幡壱拾肆旒。各長一丈之中白色一旒」
⑥ 同様。同類。〔世説新語‐容止〕
ひと‐ながれ【一流】
〘名〙
① 一筋の流れ。一筋の川。また、一つの流派。同じ流儀。
※続拾遺(1278)釈教・一四〇三「谷川のわがひとながれかきとめて絶えざりけりと人に知らせん〈成源〉」
② 一本の旗や幟(のぼり)。
※平家(13C前)一一「主もなき白旗ひとながれまいさがって」
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