梅干(読み)ウメボシ

デジタル大辞泉 「梅干」の意味・読み・例文・類語

うめ‐ぼし【梅干(し)】

青梅塩漬けにし、赤ジソの葉を加えて色づけし、日に干してから漬け液に戻した保存食品。酸味が強く、古くから食品の防腐用などに重用。うめぼしづけ。
土用の日、塩漬けした青梅を日に干すこと。 夏》「―にすでに日蔭や一むしろ/碧梧桐

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精選版 日本国語大辞典 「梅干」の意味・読み・例文・類語

うめ‐ぼし【梅干】

〘名〙
① =うばい(烏梅)〔医心方天養二年点(1145)〕
② 梅の実を塩漬けにし、取り出して日に乾かした後、紫蘇の葉を加えて漬け込んで作った保存食品。うめぼしづけ。うめほうし。《季・夏》
庭訓往来(1394‐1428頃)「并初献料海月。熨斗鮑。梅干」
※俳諧・年浪草(1783)夏「梅漬 梅干 梅剥(むき)
③ (②が、しなびてしわが多いところから) 老人。うめぼしおやじ。うめぼしばば。
※雑俳・火燵びらき(1738)「梅ぼしが口のすいほど嫁そしる」
[語誌](1)当初薬用として使われたが、鎌倉時代に入って食品としても作られるようになり、特に禅宗の精進食として発達した。また、②の挙例の「庭訓往来」に見えるように、武家饗応椀飯(おうばん)」に添えられるようになる。
(2)一般庶民の間に浸透するのは江戸時代になってからで、紫蘇で赤く染めるようになるのは江戸時代の末頃からである。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「梅干」の意味・わかりやすい解説

梅干
うめぼし

梅を塩漬にしたものを,土用の頃1度日に干して梅の果肉を軟らかくし,再び梅酢で漬けた保存食品。起源は不明だが,古来家庭の常備食品として,食用としてはもちろん,薬用としても食欲のない病人に利用される。なお,しその葉を使って漬けるようになったのは江戸時代からといわれている。 (→漬物 )  

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日本文化いろは事典 「梅干」の解説

梅干

梅干とは梅の果実を塩漬けにした後に乾燥させ、シソの葉と一緒に梅酢に漬け込んだものです。 色は赤色をしており、柔らかい大粒のものからカリカリとした小粒ものまで種類は様々です。 味は酸っぱく、ご飯のお供として日本食卓に多く登場します。特に紀州(和歌山県)の梅干は全国的に有名です。

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デジタル大辞泉プラス 「梅干」の解説

梅干

三重県津市、刀根菓子館(菓子の館とね)が製造・販売する銘菓。梅肉羊羹で白餡を包んみ、砂糖をまぶしたもの。

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