青梅(読み)オウメ

デジタル大辞泉 「青梅」の意味・読み・例文・類語

おうめ〔あをめ〕【青梅】

東京都北西部の市。多摩川谷口集落青梅街道宿駅として発展戦前まで青梅縞産地御岳みたけ渓流は江戸以来の上水道源。人口13.9万(2010)。

あお‐うめ〔あを‐〕【青梅】

まだよく熟さない、青くて硬い梅の実。実梅みうめ 夏》「―に眉あつめたる美人かな/蕪村
香の名で、沈香じんこうの一。酸っぱく苦い感じの香りで、青梅の風味があるところからいう。

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精選版 日本国語大辞典 「青梅」の意味・読み・例文・類語

おうめ あをめ【青梅】

[1] 〘名〙 (「あおうめ(青梅)」の変化した語)
① 青い梅。〔日葡辞書(1603‐04)〕
② 「おうめじま(青梅縞)①」の略。
※談義本・当世下手談義(1752)三「六尺斗の大男が、市松染のほうかぶり、青梅(アフメ)の布子に、うこん染の木綿繻伴」
[2] 東京都西北部の地名。多摩川が関東山地から武蔵野台地に流れ出る所に発達した谷口集落。青梅街道の宿駅。かつては、青梅縞など綿織物の産地。昭和二六年(一九五一市制

あお‐うめ あを‥【青梅】

〘名〙
① まだよく熟していない、青色の梅の実。《季・夏》
御湯殿上日記‐文明一〇年(1478)六月一八日「きたのの御し。あをむめまいらする」
香木の名。分類伽羅(きゃら)香味は苦酸。六十一種名香一つ。せいばい。〔名香聞之事(伝天正元年)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「青梅」の意味・わかりやすい解説

青梅[市] (おうめ)

東京都西部の市。1951年西多摩郡青梅町が調布,霞の2村と合体,市制。55年に吉野,三田,小木曾,成木の4村を編入。人口13万9339(2010)。多摩川が関東山地から武蔵野台地に流れ出る山麓部に発達した典型的な谷口集落で,中世から市が開かれ,江戸から甲州へぬける裏街道の宿場町でもあった。山地の豊かな森林を背景に青梅林業も発達したが,江戸時代以降は南の八王子,北の所沢,川越と並ぶ織物産地として知られ,とくに夜具地の青梅縞や青梅綿は第2次世界大戦後まで有名であった。天正年間(1573-92)から成木地区で産出され,江戸城修築にも用いられた石灰岩の輸送のため,1894年立川~青梅間に開通した青梅電気鉄道は,のち氷川まで延長,電化され,国鉄(現JR)青梅線となったが,現在は東京駅との間に直通電車が運転されている。1960年代に首都圏整備計画による工業開発都市に指定され,東部の扇状地上に工業団地とそれをとり巻く市街地が形成されている。圏央道のインターチェンジがある。
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世界大百科事典(旧版)内の青梅の言及

【市】より

…こうした商品を市に持ち出すものとして生産者のほかに専門の商人がいた。1675年の武蔵国多摩郡新町村(青梅市新町)の市へは,たかみせ衆,いもうじ衆,大物衆,かぞ売衆,石売衆,塩売衆,酒売衆,あい物衆が出ることが見込まれていた。やや後になるが1742年(寛保2)に設立されることになった甲斐国都留郡上野原宿の市では,細座(糸,繭,蚕種),高見世座,鍛冶座,紙座,麻座,大物座,穀座,肴座,茶座,塩座,薪竹長木木皮座に座割りしている。…

【市】より

…こうした商品を市に持ち出すものとして生産者のほかに専門の商人がいた。1675年の武蔵国多摩郡新町村(青梅市新町)の市へは,たかみせ衆,いもうじ衆,大物衆,かぞ売衆,石売衆,塩売衆,酒売衆,あい物衆が出ることが見込まれていた。やや後になるが1742年(寛保2)に設立されることになった甲斐国都留郡上野原宿の市では,細座(糸,繭,蚕種),高見世座,鍛冶座,紙座,麻座,大物座,穀座,肴座,茶座,塩座,薪竹長木木皮座に座割りしている。…

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