精選版 日本国語大辞典 「埴谷雄高」の意味・読み・例文・類語
はにや‐ゆたか【埴谷雄高】
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小説家、評論家。本名般若豊(はんにゃゆたか)。明治42年12月19日(戸籍上は翌年1月1日)、旧植民地台湾で生まれ、13歳のとき東京に移住。そのころよりロシア文学に親しむ。1928年(昭和3)日本大学予科に入学、演劇活動を通じてアナキズムに関心を抱くが、まもなくマルクス主義に移り、左翼農民運動に参加。31年日本共産党に入党し、日本最初の農業綱領草案作成のメンバーになったが、翌年逮捕、豊多摩(とよたま)刑務所未決監で1年余りを過ごした。独房での思索とそこで読んだカントの『純粋理性批判』が後年の思想の核となったという。転向出獄後、語学、ドストエフスキー、悪魔学などにふけり、39年から2年間、同人誌『構想』に詩と論理を一体化させたアフォリズム『不合理ゆえに吾(われ)信ず』を連載する。46年(昭和21)平野謙(けん)、本多秋五(ほんだしゅうご)、荒正人(あらまさひと)、佐々木基一らと『近代文学』を創刊、壮大な構想の観念小説『死霊(しれい)』の連載を開始した。結核再発のため『死霊』は4年で中絶したが、55年ごろから、形而上(けいじじょう)学的な発想に基づく独自の文学論や、いっさいの権力の否定を唱える政治論文、その他さまざまなエッセイを、息の長い独特の文体で精力的に書き続け、『濠渠(ほりわり)と風車』(1957)以下の評論集や『幻視のなかの政治』(1960)にまとめた。70年、夢と妄想を宇宙に広げた短編集『闇(やみ)のなかの黒い馬』を刊行、谷崎潤一郎賞を受けた。この間、自伝的エッセイ『影絵の世界』(1966)、『影絵の時代』(1977)なども出している。75年、26年間中絶のままになっていた『死霊』の5章「夢魔の世界」を発表して話題となり、81年6章、84年7章、さらに86年、8章「月光のなかで」、95年(平成7)に9章を発表した。平成9年2月19日死去。
[曾根博義]
『『埴谷雄高作品集』15巻・別巻1(1971~82・河出書房新社)』▽『『埴谷雄高全集』全19巻・別巻(1998~2001・講談社)』▽『白川正芳著『埴谷雄高論』増補版(1972・冬樹社)』▽『森川達也著『埴谷雄高論』(1968・審美社)』▽『立石伯著『埴谷雄高の世界』(1971・講談社)』
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…埴谷雄高(はにやゆたか)(1910‐97)の小説。《近代文学》1946年1月号~49年11月号に第4章までを連載したが中絶。…
※「埴谷雄高」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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