けいじ‐じょう ‥ジャウ【形而上】
〘名〙 (「
易経‐繋辞上」の「形而上者謂
二之道
一、
形而下者謂
二之器
一」による) 形がなくて、感覚ではその存在を知ることのできないもの。時間、空間を超越した、抽象的、普遍的、理念的なもの。⇔
形而下。
※乾坤弁説(1656)序「是以至二形而上之儀一、則晦盲不レ明」
※将来之日本(1886)〈徳富蘇峰〉一「此の如きは独り吾人が耳目に触れ来る政治、社交、衣食住、の事に止らず。更に進んで形而上の事を観察したらんには如何」
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形而上
けいじじょう
Xing-er-shang
形而下に対する語で,道の形容。『易経』繋辞伝に「形而上なるもの,之を道と謂ひ,形而下なるもの,之を器と謂ふ」とある。『易経』での原義は具体的な形をこえたものということであったが,のちにさまざまな意味が付加された。特に道学では,形而上を理の形容として形而下である気に対し,物質的な要素のまったくないという意味を含ませた。
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デジタル大辞泉
「形而上」の意味・読み・例文・類語
けいじ‐じょう〔‐ジヤウ〕【形×而上】
《「易経」繋辞上から》
1 形をもっていないもの。
2 哲学で、時間・空間の形式を制約とする感性を介した経験によっては認識できないもの。超自然的、理念的なもの。⇔形而下。
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