文学論(読み)ぶんがくろん

精選版 日本国語大辞典 「文学論」の意味・読み・例文・類語

ぶんがく‐ろん【文学論】

〘名〙 文学作品の性質文芸本質に関する理論
※忘れえぬ人々(1898)〈国木田独歩〉「文学論から宗教論まで」

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デジタル大辞泉 「文学論」の意味・読み・例文・類語

ぶんがく‐ろん【文学論】

文学作品の性質や文学の本質に関する理論。
文学に関する議論。「文学論を戦わせる」

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改訂新版 世界大百科事典 「文学論」の意味・わかりやすい解説

文学論 (ぶんがくろん)

夏目漱石が1903年(明治36)9月から05年6月まで,東京帝大英文科でおこなった講義を,加筆訂正したもの。07年大倉書店刊。序文で講義のモティーフを,1900年からあしかけ3年にわたるロンドン留学で英文学悪戦苦闘した体験から語っている。すぐれた語学力をもった日本人漱石が,英文学の了解不可能性という壁に突き当たったとき,この壁は,彼我文明の発展経過と言葉がながい歴史の中で身につけた“趣味”tasteのちがいによることに気づいた。その歴史のちがいは偶然の要因である。その認識の上に,彼我の偶然の差異を超えた普遍的な文学の本質論を樹立しようとして,〈文学的内容の形式〉を〈F+f〉と定式化し,意識の焦点的印象(F)とそれに伴う感情(f)の多様な組合せを,豊富な実例を用いて展開した。
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