召上(読み)めしあげる

精選版 日本国語大辞典 「召上」の意味・読み・例文・類語

めし‐あ・げる【召上】

〘他ガ下一〙 めしあ・ぐ 〘他ガ下二〙
① 貴人が目下の者を特別に呼び出す。召し出す。
古今(905‐914)秋下・二六九・左注「このうたは、まだ殿上ゆるされざりける時に、めしあげられて、つかうまつれるとなん」
官府主君所有物を取りあげる。また、権利役職剥奪(はくだつ)する。没収する。
太平記(14C後)一一「召人に成し後は、武家被官の者共、悉所領を召上られ」
日葡辞書(1603‐04)「ヤクヲ mexiaguru(メシアグル)
③ お買いあげになる。お求めになる。
※虎明本狂言・昆布売(室町末‐近世初)「しゃうばい人の事でござれば〈略〉ただめしあげらるる方へ参るよ」
浮世草子・本朝桜陰比事(1689)三「有時夕御膳居まいらせて、あまた通ひ女下をかし行につねよりは心よくめしあげられて後」

めさ・ぐ【召上】

〘他ガ下二〙 (「めしあぐ(召上)」の変化した語) =めしあげる(召上)
万葉(8C後)五・八八二「あが主の御霊(みたま)賜ひて春さらば奈良の都に咩佐宜(メサゲ)給はね」

めし‐あが・る【召上】

〘他ラ五(四)〙 「食う」「飲む」の尊敬語。めしあげる。
※虎寛本狂言・瓜盗人(室町末‐近世初)「瓜を〈略〉召上られう程に」
人情本・英対暖語(1837)初「御酒も温めて来たそふだ。サア直にめし上りませんか」

めし‐のぼ・す【召上】

〘他サ四〙 官、または上位者が、その者を地方から都へ呼び寄せる。
平家(13C前)三「鎮西より妙典といふ船頭をめしのぼせ」

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