何処か(読み)ドコカ

デジタル大辞泉 「何処か」の意味・読み・例文・類語

どこ‐か【処か】

[連語]《「か」は副助詞》(副詞的にも用いる)
はっきりと指示できない場所を示す。「何処かで聞いた文句だ」「何処か遠くへ行きたい」
はっきりとは示せないが、そのようであるという気持ちを表す。何となく。どこやら。「何処か変だ」
[類語](1何処どこどこそこいずこどこらどこいらどの辺どこやらいずかたどちらいずれどっち某地某所/(2何かいつか

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精選版 日本国語大辞典 「何処か」の意味・読み・例文・類語

いずく【何処】 か

① どこに…か。どこへ…か。
万葉(8C後)三・四八〇「大伴の名に負ふ靫(ゆき)帯びて万代に頼みし心何所可(いづくカ)寄せむ」
② どこが…か。どんな所が…か。
源氏(1001‐14頃)玉鬘「『又、さるたぐひおはしましなむや』と思ひ侍るに、いづくかおとり給はむ」
③ (推量のことばを伴って) どうして。なんとかして。
書紀(720)成務四年二月(寛文版訓)「稟気懐霊(よろつのもの)、何(イツクカ)得処(やすから)ざらむ」

どっ‐か【何処か】

(「どこか(何処━)」の変化した語で、くだけたいい方)
滑稽本浮世風呂(1809‐13)二「三絃を一挺買てやったら、夫をも踏びしいて、撥をば何所(ドッ)かどう迷子にして仕まった」
[2] 〘副〙 =どこ(何処)やら①②
洒落本・登美賀遠佳(1782)「あの光様といふのはどっかむす子らしいネ、おらい様はきついきまりさ」
大道無門(1926)〈里見弴〉眸「どっか借物じみてるでせう」

どこ‐か【何処か】

(「か」は不定の意を表わす助詞)
[1] 〘連語〙 不定の場所をさす。
怪談牡丹燈籠(1884)〈三遊亭円朝一二「何所(ドコ)か知らない田舎へ持て徃て売るのだなア」
[2] 〘副〙 これといってはっきりさし示すことはできないが、たしかにあるという感じを表わす。何となく。どこか。
人情本・吾嬬春雨(1832)前「何処か梅我(くめさ)に似て居るぢゃアありませんか」

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