佐野源左衛門(読み)さのげんざえもん

精選版 日本国語大辞典 「佐野源左衛門」の意味・読み・例文・類語

さの‐げんざえもん ‥ゲンザヱモン【佐野源左衛門】

[二] 古浄瑠璃曲名寛文一六六一‐七三)末から流行し、正本七種が残存する。謡曲鉢木」を題材とする。

さの‐げんざえもん【佐野源左衛門】

鎌倉時代武士。名は、常世上野国(群馬県)佐野高崎市)に住んだといい、最明寺入道北条時頼が諸国行脚の帰途、佐野で雪道に迷って常世の家に宿を借りたとき、秘蔵鉢植の木を焚いてもてなし、鎌倉に事あるときは一番に馳せ参ずることを語り、後日時頼が兵を招集した際に一番に到着して本領を安堵され、所領を与えられたという。謡曲「鉢木」の主人公として名高い。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「佐野源左衛門」の解説

佐野源左衛門 さの-げんざえもん

謡曲「鉢木(はちのき)」に登場する武士。
上野(こうずけ)(群馬県)佐野の人。鎌倉幕府の元執権北条時頼が僧となって諸国行脚(あんぎゃ)をする途中,大雪一夜の宿をたのんだとき,たいせつな鉢の木をたいてもてなし,鎌倉に対する忠節をかたる。のち召集に応じて鎌倉にかけつけた際,時頼に賞され旧領をかえされたという。名は常世。
格言など】今にてもあれ,鎌倉におん大事,出で来るならば(「鉢木」)

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「佐野源左衛門」の解説

佐野源左衛門
(通称)
さのげんざえもん

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
有職鎌倉山
初演
寛政1.8(大坂・北堀江座)

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