途中(読み)とちゅう

精選版 日本国語大辞典 「途中」の意味・読み・例文・類語

と‐ちゅう【途中】

〘名〙
① 往来なか。みちなか。路上
※凌雲集(814)「藤原冬嗣〈略〉和菅祭酒秋夜途中聞笙之什」 〔杜甫‐秋日虁州詠懐一百韻詩〕
② まだ先方に到着しないうち。目的地に着くまでのあいだ。道中中途
経国集(827)一三・途中九日〈良岑安世〉「客裏三秋暮、途中九日来、相留問行旅、如何菊花開」
滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四「雪女を連て来りゃア途中(トチウ)で解(とけ)て終はア」
③ 世の中。世間。
※正法眼蔵(1231‐53)仏性「趙州いはく、為佗知而故犯。この語は世俗の言語としてひさしく途中に流布せりといへども」
物事のまだ終わらないうち。終わりに至らない間。半途。中途。
小学読本(1873)〈田中義廉〉二「善き小児は、〈略〉稽古時刻、来れば、決して、途中に、止まることなし」

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デジタル大辞泉 「途中」の意味・読み・例文・類語

と‐ちゅう【途中】

出発してから目的地に着くまでの間。まだ目的地に到着しないうち。「出勤途中事故」「途中で引き返す」
物事を始めてから終わるまでの間。まだ終わらないうち。中途。「食事の途中で席を立つ」「途中をとばして読む」
[用法]途中・中途――「坂の途中(中途)に花子の家があった」「仕事を途中(中途)で投げ出してはいけない」のように、空間的な場合でも、時間的な場合でも、相通じて用いられる。◇「出張の途中に立ち寄る」「旅の途中で引き返す」「途中下車」のように、目的地に着く前にの意味では、「途中」が適切である。◇「父の死で、兄は大学を中途で退学した」「視聴率不振で、番組は中途で打ち切られた」「中途採用」のように、続けてきた物事の半ばの意味では、「中途」がふさわしい。◇類似語に「中ごろ」がある。「試合の中ごろ(途中・中途)に雨が降りだした」のように、時間的な場合には「途中」「中途」と相通じて用いられるが、空間的な意では「中ごろ」はあまり用いない。
[類語]途上中途途次道中行きがけ路次過渡期道すがら道道みちみち道草通りすがり通り掛かり通り掛け行きずり行き掛かり帰りしな帰りぎわ帰り掛け帰るさ寄り道半ばついでついでにちなみに念のため手ついでがてらかたがたかたわら

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普及版 字通 「途中」の読み・字形・画数・意味

【途中】とちゆう

路中

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