デジタル大辞泉
「一夜」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
ひと‐よ【一夜】
〘名〙
※
書紀(720)神代上(寛文版訓)「乃ち月夜
(よ)見
(み)の尊と一日
(ひとひ)一夜
(ヒトヨ)隔
(へた)て離
(はな)れて住
(す)みたまふ」
② ある晩。ある夜。また、先夜。
※宇津保(970‐999頃)祭の使「などかひとよはおり給はずなりにし」
③ 一晩中。よもすがら。終夜。よっぴて。よひとよ。
※
和泉式部日記(11C前)「まどろまでひと夜ながめし月見るとおきながらしも明かしがほなる」
いち‐や【一夜】
〘名〙
① 日暮れから次の日の夜明けまで、ひと晩。ひとよ。終夜。
※
源氏(1001‐14頃)御法「一日一や忌むことのしるしこそはむなしからず」
② ある夜。
※天草本伊曾保(1593)イソポの
生涯の事「ychiyaniua
(イチヤニワ) カルウ ナリ ヒトアサニワ マタ
ヘリ」
ひと‐よさ【一夜】
※俳諧・独吟一日千句(1675)第九「一夜さにのぼればくだるふじ詣 足の湯わかす
大宮の宿」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
一夜
いちやども
[現在地名]熊本市子飼本町
国道五七号の子飼橋交差点から東に約三〇〇メートル行くと、街道沿いに三、四メートルの石垣と土手で築かれた長さ約八〇メートルの塘があり、すぐ裏を白川が流れる。一夜塘の名称の由来について、加藤清正が一夜のうちに土居を築いたと伝えるが、歴史的に裏付ける史料はない。一夜塘付近の白川に石刎があり、「藤公遺業記」は石刎が清正によって造られたことを伝える。洪水の時には一夜塘付近は常に溢水して土居が崩される場所で、白川の川中への石刎工事と関連して塘が築かれたと推定される。寛政八年(一七九六)六月、塘が崩壊した時の幕府への届出は土居復旧工事となっている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報