通称(読み)つうしょう

精選版 日本国語大辞典 「通称」の意味・読み・例文・類語

つう‐しょう【通称】

〘名〙
① 人名などで、実名とは別に日常となえている名前。
※先哲叢談後編(1830)一「名素有、字時中、通称大学後称三郎左衛門土佐人」
※新聞雑誌‐四五号・明治五年(1872)五月「従来通称名乗両様相用ひ来り候輩」
② 一般に通用している名称。一般に流布している呼び名。とおり名。〔文明本節用集(室町中)〕
※評判記・色道大鏡(1678)一「只(ただ)傾城の通称(ツウセウ)として、女郎といはんに」 〔白虎通‐号〕
③ 広く一般に通行している言説。〔嵆康‐養生論〕

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デジタル大辞泉 「通称」の意味・読み・例文・類語

つう‐しょう【通称】

正式ではないが世間一般で呼ばれている名称。とおり名。鎌倉東慶寺を縁切り寺、徳川光圀を水戸黄門、歌舞伎「与話情浮名横櫛よわなさけうきなのよこぐし」を「切られ与三よさ」とよぶ類。
[類語]通り名俗称あだ名ニックネーム

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普及版 字通 「通称」の読み・字形・画数・意味

【通称】つうしよう

一般の呼び名。

字通「通」の項目を見る

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世界大百科事典内の通称の言及

【人名】より

…これは1人が幾種類かの名を帯びる社会的な慣習である。日本では特に複名が多く,諱(いみな)(名乗(なのり))のほか,幼名(童名(わらわな)),通称,字(あざな),別号(候名(さぶらいな),芸名,源氏名,筆名,雅号,画号,俳号,狂名,等々),渾名(あだな),法名,戒名,諡(おくりな)等々が同一人に対して用いられることが多い。滝沢馬琴の公式の名は源興邦(おきくに)であるが,彼は本名のほか34の名をもっていたことで知られる。…

※「通称」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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