オドエフスキー(英語表記)Odoevskii, Aleksandr Ivanovich

デジタル大辞泉 「オドエフスキー」の意味・読み・例文・類語

オドエフスキー(Vladimir Fyodorovich Odoevskiy)

[1803~1869]ロシア作家・音楽批評家。哲学者シェリングやドイツ‐ロマン派影響を受けて哲学的小説を書き、哲学サークル「愛智会」を主宰。音楽評論でも活躍した。代表作は連作短編集「ロシアの夜」。

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精選版 日本国語大辞典 「オドエフスキー」の意味・読み・例文・類語

オドエフスキー

(Aljeksandr Ivanovič Odojevskij アレクサンドル=イワノビチ━) ロシアのデカブリスト詩人シベリア流刑中に詩作を始め、祖国への強い愛情、圧制への反逆、流刑の悲哀をうたった。ロマン主義的な詩を書く。代表作は、プーシキンの「シベリアに送る詩」に答えて送った「デカブリストよりプーシキンに答う」。(一八〇二‐三九

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オドエフスキー」の意味・わかりやすい解説

オドエフスキー
Odoevskii, Aleksandr Ivanovich

[生]1802.12.8. ペテルブルグ
[没]1839.8.27. カフカス,プセズアペ
ロシアの詩人。古い公爵家に生れたが,農奴制と専制政治に反対して,1825年のデカブリスト反乱に積極的に参加。逮捕されてシベリアへ流刑,12年間の強制労働に従事。その後一兵卒としてカフカスの守備隊に配属されたが,同地で病没。彼の詩は自由を求めるパトスによって貫かれており,A.プーシキンの『シベリアへ送る詩』B Sibir'に答えて,徒刑地のデカブリストを代表して書き送った『プーシキンへの答礼』 Otvet na poslanie Pushkina (1827) は特に有名。ほかに『詩人の夢』 Son poeta (26) ,『ゾシマ』 Zosima (27~29) ,『追悼』 Trizna (28) などがある。

オドエフスキー
Odoevskii, Vladimir Fëdorovich

[生]1804.8.13. モスクワ
[没]1869.3.11. モスクワ
ロシアの小説家,音楽評論家。モスクワ大学に学び,在学中からシェリング,ホフマンらの影響を受け,哲学的,空想的,美学的小説を書いた。そのおもなものに,中編『公爵令嬢ジジ』 Knyazhna Zizi (1839) ,『公爵令嬢ミミ』 Knyazhna Mimi (34) ,『シリヒーダ』 Sil'fida (37) などを収めた著作集『ロシアの夜』 Russkie nochi (44) がある。音楽評論家としては,M.グリンカの歌劇やロシア民謡などを西ヨーロッパ音楽と美学的に比較しながら論じて,ロシア音楽の発達に貢献した。

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