とど

精選版 日本国語大辞典 「とど」の意味・読み・例文・類語

とど

[1] 〘名〙
① 魚、ボラの最も成熟した段階
※雑俳・柳多留‐一一〇(1830)「とどは鰡つまりは何が成だろふ」
② (━する) 限度となること。また、ぎりぎりのところ。限度。数量を表わす語に付けても用いる。
談義本・当世穴穿(1769‐71)一「質におかれて、流れるときは、〈略〉七八両がとどしたが」
[2] 〘副〙 「とどのつまり」の略。特に歌舞伎ト書き多く用いられる。
※歌舞伎・鳴神(1742か)「当麻姫いろいろあって、とど滝の元へよぢのぼり」

とど

〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① 戸をたたく音や馬の足音など、とどろき響く音を表わす語。
万葉(8C後)一一・二六五三「馬の音の跡杼(とド)ともすれば松蔭に出でてそ見つるけだし君かと」
② よろめくさまを表わす語。よたよたと。とぼとぼと。
源平盛衰記(14C前)二〇「右の足を揚げて長尾をむずと蹈む。ふまれて下りに弓長(ゆんだけ)三杖ばかりとど走りて倒れにけり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「とど」の意味・読み・例文・類語

とど[名・副]

[名]
最も成長した段階のボラ。
最後。限度。
「全体土間も六人―で見るといいけれど」〈滑・客者評判記〉
[副]《「とどのつまり」の略》結局。しまいに。
二三問答があって、―僕が狩野法眼元信の幅を…売渡す」〈漱石吾輩は猫である
[類語]結局結句つい畢竟ひっきょう詰まるところ帰するところせんずるところ要するにどの道いずれ所詮しょせんどうせつまり矢張りいずれにしても挙げ句挙げ句の果ていよいよとうとうどうともどうあってもどうでもどっち道とどのつまり

とど[副]

[副]
戸をたたく音や馬の駆ける足音など、響き渡る音を表す語。
「馬の音の―ともすれば松陰に出でてそ見つるけだし君かと」〈・二六五三〉
よたよたよろめくさま。
「―走りて倒れにけり」〈盛衰記・二〇〉

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