所詮(読み)ショセン

デジタル大辞泉 「所詮」の意味・読み・例文・類語

しょ‐せん【所詮】

[名]
最後に落ち着くところ。
「せっかく鳥に生まれて来ても、…なんの―もないことじゃぞ」〈賢治二十六夜
仏語経文などによって表される内容能詮のうせんに対していう。
[副]
最後に行き着くところを述べるときに用いる。どうこう言っても結局は。つまるところ。多く、否定的な意味語句を伴って用いる。「所詮かなわぬ夢」「生意気を言っても、所詮子供だ」
命令意志を表す語句を伴って)こうなったうえは。それでは。
「―こなたの念仏をば留め候ふべし」〈謡・隅田川
[類語]つまり要するに結局矢張り畢竟ひっきょうどの道何れにしても結句ついとどの詰まり詰まるところ帰するところせんずるところいずれどうせ挙げ句挙げ句の果ていよいよとうとうどうともどうあってもどうでもどっち道差し詰め究竟きゅうきょう果ては何と言ってもどっち道もはやとにかく何しろ何せ何分なにぶん何分にもなんにせよともかくともかくもともあれとまれとにもかくにもそれはともあれ遅かれ早かれ善かれ悪しかれ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「所詮」の意味・読み・例文・類語

しょ‐せん【所詮】

[1] 〘名〙
① 仏語。言語文字などで表わされるもの。能詮に対していう。〔法華義疏(7C前)〕
② 結果として落ち着くところ。
※七箇条起請文(1204)「右至立破道者学生之所詮也。非愚人之境界
[2] 〘副〙
① 詮ずるところ。つまるところ。要するに。結局。また、こうなったからには。
保元(1220頃か)中「所詮誰々も懸けさせ給へ」
仮名草子竹斎(1621‐23)上「その身貧にして病者さらに近付かず。しょせん諸国をめぐり、いづくにも心の留まらん所に住まばや」
② (多く下に打消の語を伴って) どのようにしても。どうせ。到底。
ロザリオの経(一六二二年版)(1622)四「Xosẽ(ショセン) ミギ ヂョウヂョウノ サシアイ アリテ、Processiõ ニ イデワウ コト カナワザル ヒトワ」
沓手鳥孤城落月(1897)〈坪内逍遙〉二幕「所詮(ショセン)助からぬ母上の御命」

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