げっぷ

精選版 日本国語大辞典 「げっぷ」の意味・読み・例文・類語

げっぷ

[1] 〘副〙 胃の中の気体が口から出るときの音を表わす語。げっぷう
※黄・色競手管巻(18C後‐19Cか)一「げっぷげっぷと噫(おくび)して少しは痞(つかえ)も下りし様子
[2] 〘名〙
① 飽食して、胃の中の気体が口に出てくる現象。また、その気体。げっぷう。おくび。〔和英語林集成初版)(1867)〕
※兎(1972)〈金井美恵子〉「お互いに無遠慮にげっぷをもらしたりして」
② (比喩的に) 物事に飽き飽きすること。げっぷう。
洒落本・蛇蛻青大通(1782)「惚たほれぬのせりふにもげっふをして居(いる)矢先なれば」

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デジタル大辞泉 「げっぷ」の意味・読み・例文・類語

げっぷ

《その音を表す語から》胃の中のガスが口から出てくるもの。噯気あいき。おくび。飽食する意、また物事に飽き飽きする意のたとえにも用いる。「げっぷが出るほど聞かされた話」
[類語]おくび

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「げっぷ」の意味・わかりやすい解説

げっぷ

おくび(噯気(あいき))のことで、胃の中のガスまたは空気が、食道から口腔(こうくう)へと上昇してきて排出されることをいう。過多の食事後、あるいはサイダーなどの清涼飲料水を飲んだあとに経験するのがこれである。げっぷとともに酸味がある液体が逆流してくる場合は酸性おくび、すなわち呑酸(どんさん)とよび、胃液の過酸症状と考えられている。病的な場合としては、胃潰瘍(かいよう)による瘢痕(はんこん)(傷あと)、あるいは腫瘍(しゅよう)などによる食物の通過障害があったり、胃の機能異常によって食物が胃に長く停滞しているとおこりやすく、口臭を伴うことが多い。また、睡眠中などに大量の空気を飲み込んでいて、目が覚めたときにげっぷとして吐き出す場合もあり、空気嚥下(えんげ)症といわれている。病的なげっぷは、いわゆる胸やけ(胃液が食道へ逆流するためといわれる)とともに、消化器疾患の主要な症状の一つであるが、悪心(おしん)、嘔吐(おうと)、みぞおち、あるいは上腹部疼痛(とうつう)など、他の症状を合併することが多い。

渡辺 裕]

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改訂新版 世界大百科事典 「げっぷ」の意味・わかりやすい解説

げっぷ

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世界大百科事典(旧版)内のげっぷの言及

【おくび】より

…噯気(あいき),または俗にげっぷともいう。胃内の気体(通常は空気)が口腔を経て体外に逆流する現象。…

※「げっぷ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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