鼻孔(読み)びくう

精選版 日本国語大辞典 「鼻孔」の意味・読み・例文・類語

び‐くう【鼻孔】

〘名〙 (「くう」は「孔」の慣用音)
※運歩色葉(1548)「鼻孔 ビクウ」
人間の顔が顔となるのに欠かせないもの。本来面目。たいせつなもの。びこう。
正法眼蔵(1231‐53)心不可得「国師いかにしてか三蔵の鼻孔上にあらん、三蔵いまだ鼻孔なし」 〔碧巖録‐二九則・本則〕

び‐こう【鼻孔】

〘名〙
① 鼻のあな。鼻竅(びきょう)。びくう。
史記抄(1477)一四「半夏一両右末して大豆の大に丸して鼻孔の中へ管のつつを以て吹入れば」 〔山海経‐海外西経〕

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デジタル大辞泉 「鼻孔」の意味・読み・例文・類語

び‐こう【鼻孔】

鼻のあな。鼻腔入り口のものを外鼻孔のどに開いているほうを後鼻孔という。「香ばしいにおいが鼻孔をくすぐる」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鼻孔」の意味・わかりやすい解説

鼻孔
びこう

鼻腔の先端にある開口部呼気,吸気の出入口哺乳類は一般に嗅覚が発達しているために,鼻孔は前方に開くが,人類では嗅覚が発達せず,また咀嚼器が縮小して外鼻が突出するため,鼻孔は下方に開く。鼻の形は人種によって著しく異なるため,鼻孔も人種差が著しい。下方から鼻孔をみた場合,コーカソイド前後に長いが,ニグロイドは前後に短く,モンゴロイドはその中間の形を示す。

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普及版 字通 「鼻孔」の読み・字形・画数・意味

【鼻孔】びこう

鼻のあな。〔山海経、海外西経〕一臂國は其の北に在り。一臂(ぴ)・一目・一孔なり。

字通「鼻」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の鼻孔の言及

【鼻】より

…付属した部分も含めて一般に鼻器ともいう。
【動物の鼻】
 古生代の無顎(むがく)類に属した原始魚類には,外鼻孔つまり外界に開く鼻の入口を1対もつグループ(双鼻類)と,正中部に1個だけもつグループ(単鼻類)があった。後者のうち最もよく知られている頭甲類という仲間では,頭胸部をおおう堅固な骨性の装甲の背面で,両眼の中間に松果体孔,その少し前方に単一の外鼻孔external naresがあった。…

※「鼻孔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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