精選版 日本国語大辞典 「下方」の意味・読み・例文・類語
した‐かた【下方】
〘名〙 (「したがた」とも)
① 下の方。下位。また、しもざまの庶民。町人の家。したじた。しもつかた。しもかた。
※夜の寝覚(1045‐68頃)五「殿の上ばかりを頼むかげにて、わがしたかたと思ひなすに」
※人情本・貞操婦女八賢誌(1834‐48頃)二「下輩(シタカタ)の噂の通り、出所の慥でない、錦の籏を御戸帳とは」
※歌舞伎・独道中五十三駅(1827)五幕「『そんなら、ちょっと下稽古』『わしらは下方(シタカタ)へ廻りやせう』」
した‐ざま【下方】
〘名〙 下の方。下辺。また、下層階級の人々。しもざま。
※能因本枕(10C終)二五「狩衣の前した様にまくり入てもゐるかし」
※翁問答(1650)下「聖人より下(シタ)ざまのうまれつきには、必ず気習の偏あるによって」
か‐ほう ‥ハウ【下方】
〘名〙 したの方。下部。⇔上方。
※正法眼蔵(1231‐53)山水経「いはゆる地を流通し、空を流通し、上方に流通し、下方に流通す」 〔史記‐亀策伝〕
しも‐かた【下方】
〘名〙 (「しもがた」とも) =したかた(下方)①
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報