陽(漢字)

普及版 字通 「陽(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

[字音] ヨウヤウ
[字訓] ひ・ひなた・ひかり・あたたかい・いつわる

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
声符は昜(よう)。昜は台上の玉光が下に放射する形。玉の光は、魂振りとしての呪能があるとされた。阜(ふ)はもとに作り、神の陟降する神梯の象。その神梯の前に玉をおき、神の威光を示す字であった。〔説文〕十四下に「高なり」という。昜を〔説文〕九下は勿部に録し、「開くなり。日と一と勿とに從ふ」とし、日光と解するが、日は玉の形。昜は陽光の象徴とされ、その力能を陽という。陰陽は古くは昜としるした。陽はのち陽光の意となり、〔詩、小雅、湛露〕に「陽(ひ)に匪(あら)ざれば晞(かわ)かず」、〔詩、風、七月〕「春日載(すなは)ち陽(あたた)かなり」のような句がある。〔七月〕「我が朱孔(はなは)だ陽(あか)し」はその引伸義。佯(よう)と仮借通用する。

[訓義]
1. ひ、太陽、ひなた、ひかり。
2. あたたかい、山の南、川の北。
3. あきらか、あらわれる、あかるい、さかん。
4. 佯と通じ、いつわる。

[古辞書の訓]
名義抄〕陽 アキラカニ・アキラカナリ・ヒノヒカリ・アラハス・イツハル・ヒカリ・アタタカナリ・ヒ・アザムク・ヤハラカナリ

[語系]
陽・昜・暘・揚・jiangは同声。昜は玉光を示す字。玉光は陽光の象徴とされ、魂振りの儀礼に用いた。玉光を覆うことを・傷sjiangといい、凶礼をいう。佯jiangは同声、その義に通用する。

[熟語]
陽烏陽炎・陽・陽夏・陽芽陽雁・陽気・陽九陽驚・陽狂陽景・陽言陽侯・陽光・陽彩陽識・陽死・陽字陽疾・陽・陽秋陽春陽燧陽遂・陽精・陽石・陽鳥陽怒・陽道・陽波・陽文・陽病・陽報陽卜陽眠陽明陽陽・陽林・陽霊
[下接語]
一陽・陰陽・炎陽・艶陽・外陽・羲陽・九陽・群陽・迎陽・歳陽・山陽・残陽・斜陽・秋陽・春陽・純陽・初陽・少陽・昭陽・新陽・正陽・青陽・清陽・盛陽・精陽・夕陽・太陽・重陽・朝陽・明陽・迷陽・孟陽・落陽・麗陽

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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