返礼(読み)へんれい

精選版 日本国語大辞典 「返礼」の意味・読み・例文・類語

へん‐れい【返礼】

〘名〙
① 他から受けた礼に対して返し報いること。また、そのための行為や贈物など。
※大乗院寺社雑事記‐寛正二年(1461)六月一〇日「一、予瓶子一双、二合令持参寺務了、返礼無之云々」
※浄瑠璃・傾城島原蛙合戦(1719)一「富樫の左衛門にめあはされよ、返礼には金の采配」
② 恨みをかえすこと。意趣がえし。しかえし。
※太平記(14C後)三九「道誉面目を失ふ事なれば、是程の返礼(ヘンレイ)をば致さんずる也」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「返礼」の意味・読み・例文・類語

へん‐れい【返礼】

[名](スル)
人から受けた礼・贈り物に対して行為や品物で報いること。また、その行為や品物。「地酒を贈って返礼する」
仕返しをすること。また、その仕返し。意趣返し。返報。
[補説]書名別項。→返礼
[類語]報いる恩返し謝礼報礼謝儀こころざし礼物礼金謝金報謝報酬薄謝薄志謝辞

へんれい【返礼】[書名]

富岡多恵子詩集。昭和32年(1957)刊行翌年、第8回H氏賞受賞。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の返礼の言及

【贈物】より

…ただし通過儀礼の際の贈答品は食物に限られてはおらず,妊娠祝の岩田帯,出産の産着,成人式のふんどしや腰巻,結婚祝の帯や下駄,還暦の赤い帽子と袖なしなど一連の衣類が古くから用いられたが,これは単なる祝福のしるしではなく地位や身分の変更を社会的に承認するしるしでもあったとされている。 贈物は経済取引とは違いつねに返礼の義務を生み,社会関係の強化と一体感を創出する機能を持っている。とくに日本で現在でも贈答が重視され多用されるのは,贈答品の品目によって相手の心がわかるとさえいわれ,また〈まごころの贈物〉などと称されるように,贈答が物を媒介とした心情表現の一手段となっていることが大きい。…

※「返礼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

線状降水帯

線状に延びる降水帯。積乱雲が次々と発生し、強雨をもたらす。規模は、幅20~50キロメートル、長さ50~300キロメートルに及ぶ。台風に伴って発達した積乱雲が螺旋らせん状に分布する、アウターバンドが線状...

線状降水帯の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android