精選版 日本国語大辞典 「蜆」の意味・読み・例文・類語
しじみ【蜆】
〘名〙 シジミ科に属する二枚貝の総称。殻は三角形で、通常殻長約三センチメートル。表面はオリーブ色または黒色で輪脈があり、内面は紫色を帯びる。日本には純淡水産のマシジミ、海水のまじる河口付近にすむヤマトシジミ、琵琶湖水系にすむセタシジミ、奄美諸島以南にすむ大形のヒルギシジミガイなどが生息。マシジミは卵胎生または卵生で、他は卵生。多くはみそ汁にされ、また黄疸(おうだん)の薬とされる。しじみがい。《季・春》
※万葉(8C後)六・九九七「住吉の粉浜の四時美(シジミ)開けも見ず隠りてのみや恋ひ渡りなむ」
※随筆・守貞漫稿(1837‐53)五「蜆は京坂にては或は貝のまま売るあり。或は石灰を交へ煮て殻を去て売るもあり。〈略〉江戸には殻を去りたる蜆無レ之」
[語誌](1)縄文・彌生の遺跡から多く出土し、文献では「播磨風土記‐美嚢」に、履中天皇がシジミを食した記事があるなど、古くから食用にしていた。
(2)琵琶湖のものは、室町時代に「ししみ取る堅田の浦のあま人よこまかに言はばかひぞあるべき」〔為尹千首‐恋〕という堅田のものを詠んだ歌があるが、近世には瀬田の名産とされた。
(3)江戸文学などでは、零細な元手で商売できるので、しじみ売りは貧乏人の典型となっていた。
(2)琵琶湖のものは、室町時代に「ししみ取る堅田の浦のあま人よこまかに言はばかひぞあるべき」〔為尹千首‐恋〕という堅田のものを詠んだ歌があるが、近世には瀬田の名産とされた。
(3)江戸文学などでは、零細な元手で商売できるので、しじみ売りは貧乏人の典型となっていた。
しじめ【蜆】
〘名〙 「しじみ(蜆)」の変化した語。
※本草色葉抄(1284)「蜆 シシメ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報