彌生(読み)やよい

精選版 日本国語大辞典 「彌生」の意味・読み・例文・類語

やよい やよひ【彌生】

[1] 〘名〙 (「いやおい(彌生)」の変化したものか) 陰暦三月異称。《季・春》
書紀(720)孝霊四年三月(北野本訓)「四年(よとせ)の春三月(ヤヨヒ)甲申(きのえさる)の朔(つひたち)甲午(きのえむま)に」
※浄瑠璃・国性爺合戦(1715)九仙山「空は彌生のなかばなる、柳桜をこきまぜて」
[2] 東京都文京区の町名。江戸時代は水戸徳川家中屋敷があった。明治一七年(一八八四)ここの貝塚から発掘された土器に基づき、彌生土器の名が生まれた。

いや‐おい ‥おひ【彌生】

〘名〙
① (形動) (「いや」は副詞) 草木がいよいよ生え茂るさま。いちだんと生い茂るさま。
※新撰六帖(1244頃)一「梓弓末野の草のいやおひに、春さへ深くなりぞしにける〈藤原家良〉」
② 陰暦三月の異称。いやおいの月。やよい
※俳諧・俳諧新式(1698)三月の詞「彌生(イヤヲヒ) 春は草木いやが上おひ出る故にいよいよおふるといふ心をいやおひといふ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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