(読み)ひこばえ

精選版 日本国語大辞典 「蘖」の意味・読み・例文・類語

ひこ‐ばえ【蘖】

〘名〙 (「孫(ひこ)生え」の意) 切った草木の根や株からはえ出た芽。また、比喩的に、もとになるものから新しく発生した勢力。《季・春》
新撰字鏡(898‐901頃)「荑 死木更生也 比古波江」

ひこ‐ば・ゆ【蘖】

〘自ヤ下二〙 (「孫(ひこ)生ゆ」の意) 切った草木の根や切り株から芽が出る。ひこばう。〔享和本新撰字鏡(898‐901頃)〕

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デジタル大辞泉 「蘖」の意味・読み・例文・類語

ひこ‐ばえ【×蘖】

《「ひこ生え」の意》切り株や木の根元から出る若芽余蘖よげつ 春》「―に哀をいひてわかれけり/犀星
[類語]木の芽若芽新芽冬芽ふゆめ冬芽とうが花芽はなめ花芽かが葉芽下萌え頂芽腋芽むかご肉芽麦芽もやし

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「蘖」の解説

ひこばえ【蘖】

大分麦焼酎。4代目杜氏の誕生を記念して発売された銘柄。酒名は、樹木の切り株や根本から生える若芽を意味する。名水百選の「男池」の伏流水を用いて仕込み、減圧蒸留で造る。原料は麦、麦麹。アルコール度数25%。蔵元の「麻生本店」は明治元年(1868)創業。所在地は由布市庄内町畑田。

出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【醸造】より

…煮た穀物を乾燥し,あらびきした糗(きゆう)(擂砕糗(らいさいきゆう))はあったが,主食穀物であるアワやキビは粒のまま蒸して食べた。酒の原料は主食穀物であるキビがよいとされ,麴(こうじ)として麴蘖(きくげつ)が使われた(《書経》《礼記》)。麴(きく)は糗をねりかためてカビをつけた餅状のもの(餅麴(もちこうじ))で,蘖は蒸した穀粒にカビをつけた撒麴(ばらこうじ)と推定されている。…

※「蘖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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