麦芽
ばくが
malt
大麦の種子を発芽させたもの。ビール醸造の原料として重要なばかりでなく,微生物の培養基 (→培養 ) の調製に用いられることが少くない。大麦の芽がほんのわずか出たばかりのものはスピッツ発芽といい,デンプンの分解力は最も強いが,種子内のデンプンはほとんど未分解で糖分が著しく少い。これに対して芽が殻長ほどに伸びたものを短麦芽,1.5倍ぐらいに伸びたものを長麦芽といい,分解力は弱まるが糖分は多くなる。微生物の培養基の調製には短麦芽または長麦芽が,ビール醸造には短麦芽が最もよいとされている。
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麦芽【ばくが】
麦類の種子を発芽させたものの総称であるが,普通は大麦麦芽をさす。英語でモルトmalt。ジアスターゼが多量に含まれ,水飴(みずあめ)やビール,ウィスキーの製造などに利用。適当な温度,水分を与えて発芽させた大麦麦芽は,緑麦芽または生麦芽といって,糖化力は強いが保存できないので,乾燥し,幼根を除いた乾燥麦芽の形で利用。なお麦芽にはタンパク質分解酵素プロテアーゼも含まれ,ビールの味などに微妙な影響を与える。
→関連項目ビール|もやし
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ばく‐が【麦芽】
〘名〙
オオムギを水に浸して発芽させたもの。また、他の穀物の種子を発芽させたものもいう。澱粉などの糖類やビタミン類を含み、
アミラーゼも強い。栄養剤、
消化剤、家畜の飼料に用いられるほか、ビール醸造や
麦芽糖の原料とされる。
※
随筆・嬉遊笑覧(1830)一〇上「すはまは洲浜にて、〈略〉麦芽大豆を粉にしてねり竹皮に包みたる物なり」
ばく‐げ【麦芽】
〘名〙 大麦のもやし(
日葡辞書(1603‐04))。
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デジタル大辞泉
「麦芽」の意味・読み・例文・類語
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麦芽
オオムギ麦芽ともいう.オオムギを発芽させたもので,そのアミラーゼを利用する場合が多い.
出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報
ばくが【麦芽 malt】
発芽,発根させたオオムギを乾燥し,幼根を除去したもの。デンプンを糖化する酵素をはじめ,胚乳組織を分解する種々の酵素が発芽時に生産されることを利用し,糖化剤を兼ねたデンプン原料としてビール,ウィスキー,飴(あめ)あるいは麦芽酢の製造に用いられる。麦芽製造の歴史は古く,記録では前4000年ころの古代バビロニアにさかのぼることができる。当時はオオムギを堆積し,水をまき,発根したところで広げ,天日で乾燥した。
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普及版 字通
「麦芽」の読み・字形・画数・意味
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