精選版 日本国語大辞典 「考・勘」の意味・読み・例文・類語
かんが・える かんがへる【考・勘】
〘他ア下一〙 かんが・ふ 〘他ハ下二〙 (古くは「かむがふ」とも表記)
① いくつかの物事をひきくらべて調べる。勘案する。
※金刀比羅本保元(1220頃か)上「毎度かつにのる先蹤をかんがふるに、夜うちにしかず」
② 罪を問いただす。吟味して処罪する。勘当する。
※能因本枕(10C終)五八「いみじう腹立しかりてかんかへて滝口にさへわらはる」
③ 易(えき)によって吉凶を判断する。うらなう。
※平家(13C前)一一「いるかは常に多けれども、いまだかやうの事なし。いかがあるべきとかんがへ申せ」
④ 物事を、筋道を立てて思いはかる。あれこれと頭を働かせて判断する。思考をめぐらす。
※法華義疏長保四年点(1002)一「文を推(おしはか)り義を考(カムカフレハ)」
⑤ 学びとる。学習する。学ぶ。
こうが・う かうがふ【考・勘】
〘他ハ下二〙 (「かんがう(考)」の「ん」を「う」と表記したもの)
① 思いをめぐらして判断する。特に、前例や暦などにてらして、事の是非を判断する。
※書紀(720)大化元年八月(北野本訓)「先づ、勘当(カウカ)へて、奏せ」
※源氏(1001‐14頃)行幸「近う又よき日なしとかうがへ申しけるうちに」
② 罪状を判断して罰する。責める。とがめる。また、勘当する。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「兄の兵衛佐の君をいみじうかうがへ〈略〉責め給ふ」
かんが・う かんがふ【考・勘】
〘他ハ下二〙 ⇒かんがえる(考)
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