精選版 日本国語大辞典 「突張」の意味・読み・例文・類語
つっ‐ぱ・る【突張】
[1] 〘自ラ五(四)〙
① 強く張る。伸張する。また、からだなどがかたくなってそりかえる。
② 強硬な態度で行動する。
④ そうしたいという気持がひじょうに強く心にみなぎる。
(イ) (「意地がつっぱる」の形で) 自分の意見を強く押し通そうとする気持がみなぎる。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二「此子の様な、いぢのつっぱった子はねへよ」
(ロ) (「胸がつっぱる」の形で) 苦しみ、悲しみなどを強く感じる。
(ハ) (「欲がつっぱる」の形で) ひじょうに強い欲がみなぎる。
(ニ) (「業腹がつっぱる」の形で) ひじょうに腹が立つ。
※西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉初「余(あンま)り強腹(がうはら)がつっぱるから」
⑤ 見張りや客引きなどのために外に立つ。
[2] 〘他ラ五(四)〙
① 棒状のものを押しあてて強く支える。また、腕・脚などを伸ばしあてて強く押す。
※雑兵物語(1683頃)上「杖をつっはる役だからは」
② 相場で、強引に売りまたは買いを続ける。〔株式商品市場用語辞典〕
※漫才読本(1936)〈横山エンタツ〉モグリの大将「双方激しく突(ツ)ッぱって居ります」
つっ‐ぱり【突張】
〘名〙
① つっぱること。ものを押しあてて支えること。つっかい。
※俳諧・桃青門弟独吟廿歌仙(1680)巖翁独吟「長天も地につきにけり庭の雪 氷のはしら風のつっばり」
② 物を支えるために立てる棒や柱など。つっかい棒。
※日葡辞書(1603‐04)「Tçuppariuo(ツッパリヲ) カウ」
③ 青少年などが虚勢をはって、不良じみた態度をとったり、目立ったかっこうをしてみせること。→つっぱる(一)③。「つっぱりグループ」
※TV局恥さらしな日記(1984)〈村野雅義〉オン・エア「たとえ、暴走族であろうと、ツッパリ娘であろうと」
④ 相撲で、両腕を同時または交互に伸ばして、平手で相手の胸や肩を突くこと。〔相撲講話(1919)〕
つい‐はり【突張】
〘名〙 (「つい」は「つき(突)」の変化した語) ものをつっぱるために立てる柱や棒。つっぱり。つっかい。
※虎明本狂言・腰祈(室町末‐近世初)「よひとおもふ時分に、うしろからつひはりをめされひ」
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