破砕(読み)ハサイ(英語表記)comminution

デジタル大辞泉 「破砕」の意味・読み・例文・類語

は‐さい【破砕/破×摧】

[名](スル)粉々に砕けること。また、粉々に砕くこと。「鉱石を―する」
[類語]破壊割る打ち壊すぶち壊す取り壊す打ち砕く壊す叩き壊す毀損損壊破損砕破全壊壊滅

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「破砕」の意味・わかりやすい解説

破砕
はさい
comminution

固体を細かくしていく機械的分離操作の一種。広い意味の粉砕size reductionのなかに破砕あるいは粗砕crushingや中砕なども含めるが、狭義には、これらより細かい約1センチメートル以下の粒度を目的とするものpulverization, grinding, millingに限定することが多い。粉砕の目的には、固体を細かくして取り扱いやすくしたり、粉体の混合における均一性をあげる物理的なねらいもあるが、固体の比表面積を増加させて、反応、物質移動、焼結などの化学的、物理化学的ねらいが重要となることが多い。

 粉砕機で細かくしうる粒径の割合、すなわち粉砕比=砕料(原料の固体)の粒径÷砕製物(製品の粉粒体)の粒径は粉砕機の種類によって限界があり、幾種類かの粉砕機が直列に用いられることが多い。粉砕機の種類は砕製物の大きさによって、10~1センチメートルを粗砕機、10~5ミリメートルを中砕機、数百~数十マイクロメートルの粉砕機、数十マイクロメートル以下の微粉砕機、1マイクロメートル以下の超微粉砕機などに分けることがある。

 粉砕のため固体に加える外力としては4種類あり、圧縮力は粗砕、中砕に、剪断(せんだん)力は微粉砕や靭性(じんせい)材料の微粉化に、衝撃力は中間粉砕、微粉砕、超微粉砕に、摩擦力は微粉砕、超微粉砕に用いられる。実際の粉砕機構は複雑で、これら幾種類かの力を同時に受ける場合もある。粉砕機はこのほか、連続粉砕と回分粉砕、乾式粉砕と湿式粉砕閉回路粉砕など多種多様のものがある。

[早川豊彦]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「破砕」の意味・わかりやすい解説

破砕
はさい
crush

岩石を砕いて砂利にすること。できあがった製品を砕石という。砕石をさらに細かく砕いて砕砂をつくることを粉砕という。石を砕く機械はクラッシャと呼ばれ,大きな原石を 200~350mm程度に破砕することを1次破砕,これをさらに5~20mmに砕くのを2次破砕という。粉砕では 3mm以下に砕く。

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改訂新版 世界大百科事典 「破砕」の意味・わかりやすい解説

破砕 (はさい)

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普及版 字通 「破砕」の読み・字形・画数・意味

【破砕】はさい

砕く。

字通「破」の項目を見る

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岩石学辞典 「破砕」の解説

破砕

圧砕状

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栄養・生化学辞典 「破砕」の解説

破砕

 →粉砕

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世界大百科事典(旧版)内の破砕の言及

【粉砕】より

… 粉砕の対象物すなわち原料は,粒子径1m以上もある大塊から数十μmのものまで幅広く,また粉砕された粒子(粉砕産物)も粒子径10cm以上のものから1μm以下のものまでさまざまである。そこで慣習的に,比較的粗い粒子径の領域での粉砕を破砕crushing,比較的細かい粒子径の領域での粉砕を狭い意味で粉砕grindingと呼んで区別することがある。しかし破砕と狭義の粉砕との間に明確な境はない。…

※「破砕」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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