焼芋(読み)やきいも

精選版 日本国語大辞典 「焼芋」の意味・読み・例文・類語

やき‐いも【焼芋】

〘名〙 焼いた薩摩芋。《季・冬》
※評判記・秘伝書(1655頃)下ほんの事「やきぐり、やきいもは、いきくさくなる也」
※虚子句集(1915)〈高浜虚子〉冬「十銭の焼芋はあまり多かりし」

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デジタル大辞泉 「焼芋」の意味・読み・例文・類語

やき‐いも【焼(き)芋】

焼いたサツマイモつぼ焼き・石焼きなどにする。 冬》「―を食ふ行商の襟見せて/湘子」

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世界大百科事典 第2版 「焼芋」の意味・わかりやすい解説

やきいも【焼芋】

サツマイモを焼いたもの。サツマイモの食べ方として最も簡便,かつ美味な方法なので,日本でもサツマイモの渡来直後から行われていたはずである。サツマイモは,16世紀の末に中国から沖縄に伝えられ,17世紀末までには九州四国に普及しており,18世紀になると京都付近でも栽培されていた。関東では1735年(享保20)に青木昆陽が実験的な栽培を始め,以後半世紀ほどの間に関東一円に普及した。まだ砂糖が高価な時代であったから,サツマイモは都市民にとっては救荒食品ではなく,菓子がわりの甘味品としておおいに愛好され,その需要にこたえて焼芋屋が続出した。

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