にっ‐こう ‥クヮウ【日光】
※菅家文草(900頃)五・感雪朝「早驚
二春気
一禅林臘先負
二日光
一定水氷」 〔北史‐孝文昭
皇后伝〕
[2]
※栄花(1028‐92頃)鳥の舞「日光、
月光、皆たち給へる御姿どもなり」
[三] (
男体山(なんたいさん)の別名二荒山
(ふたらさん)を「にこうさん」と音読したものの変化という) 栃木県西北部の
地名。奈良末期に四本龍寺(のち
輪王寺)、二荒山神社が開かれてから発展。江戸時代は
東照宮の
門前町として栄えた。男体山、中禅寺湖、東照宮、輪王寺などがあり、自然美と人工美に富み、
市域の
大部分が日光国立公園に含まれる。昭和二九年(
一九五四)
市制。
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日光
にっこう
短歌雑誌。1924年(大正13)4月~27年(昭和2)12月。37冊を発行。創刊同人は北原白秋(はくしゅう)、前田夕暮(ゆうぐれ)、石原純(じゅん)、古泉千樫(こいずみちかし)、折口信夫(おりくちしのぶ)(釈迢空(しゃくちょうくう))、川田順、木下利玄(りげん)、土岐善麿(ときぜんまろ)、吉植庄亮(よしうえしょうりょう)ら。発行所日光社(初め鎌田敬止(かまたけいし)、のち四海民蔵(しかいたみぞう)方)。大正末期の結社分立のなかで、当時の有力歌人が結社の枠を超えて自由な親しい気分で結集し、他ジャンルとの交流、口語歌の試作、随筆、研究などにも精力的に活動した特色ある同人誌。大正から昭和への転形期の歌壇をリードしたが、一面において、島木赤彦中心の閉鎖的な『アララギ』体制への反運動としての性格をもつ。白秋系と夕暮系同人の増加と不一致のため消滅した。
[前田 透]
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日光【にっこう】
現栃木県の北西部,日光市・鹿沼(かぬま)市・塩谷郡・上都賀(かみつが)郡などの一部を含む広域の通称。日光を中心とする主要部分は,大谷(だいや)川にかかる華厳滝(けごんのたき)を境に,上流側の奥日光,下流側の表日光(口日光,日光山内ともいう)に分けられる。その北部鬼怒(きぬ)川上流部の栗山村(現・日光市)一帯は裏日光(奥鬼怒),南部の上都賀郡足尾町・鹿沼市にかかる足尾山地北部は前日光とも称されている。かつては男体山(なんたいさん)を中心とする山岳信仰の霊地で,日光の名称も男体山の別称二荒(ふたら)山の二荒を〈にこう〉と音読したことに起源があるともいわれている。→日光[市]/日光国立公園/日光東照宮/二荒山神社/日光湯元
→関連項目日光御成道
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日光
にっこう
栃木県北西部にある観光都市。東照宮の門前町として発展した
古来,神仏習合・山岳信仰道場の地として知られ,奈良末期に勝道上人によって開かれた。1617年徳川家康の神廟が建てられて以来,日光奉行管轄下に門前町として繁栄。東照宮・大猷廟(家光の廟)・輪王寺・二荒山 (ふたらさん) 神社などがある。江戸時代,将軍や諸大名の参詣が絶えず,大いににぎわった。1954年市制を施行。1999年,二荒山神社など2社1寺と境内地,周辺地帯は世界遺産に登録された。
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デジタル大辞泉
「日光」の意味・読み・例文・類語
にっこう【日光】[地名]
栃木県北西部を占める市。東照宮の門前町。日光国立公園の自然景観にも恵まれた観光地。漆器・木彫りを特産。平成18年(2006)3月、今市市・足尾町・栗山村・藤原町と合併。人口9.0万(2010)。
[補説]東照宮、二荒山神社、輪王寺の建造物及び周辺の自然環境は、平成11年(1999)「日光の社寺」の名で世界遺産(文化遺産)に登録された。
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日光 にっこう
?-? 南北朝-室町時代の能面師。
近江(おうみ)(滋賀県)園城(おんじょう)寺の僧といわれる。喜多古能の「仮面譜」によれば,仮面十作(じっさく)のひとり。翁(おきな)面を得意とし,作品に「父尉(ちちのじょう)」などがある。
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日光
栃木県日光市にある道の駅。国道119号線に沿う。愛称は「日光街道ニコニコ本陣」。観光情報館、地域物産販売店、船村徹記念館、多目的ホールなどがある。
日光
ハンガリーで作出されたバラの園芸品種「グルス・アン・テプリッツ」の和名。農学者でもあった詩人・作家の宮沢賢治が栽培していたバラとして知られる。
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にっこう【日光】
栃木県北西部,日光市を中心とする地域の通称。日光火山群の南部,大谷(だいや)川水系の中・上流地域にあたり,今市市の一部も含む。華厳滝より上流の奥日光,下流の表日光(口日光)に分けられる。また,日光火山群の北,鬼怒川上流の塩谷郡栗山村を裏日光(奥鬼怒),日光市南部から鹿沼市北西部,足尾町東部を含む足尾山地北部を,前日光と呼ぶこともある。表・奥・裏日光は日光国立公園に含まれ,前日光は県立自然公園に指定されている。
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普及版 字通
「日光」の読み・字形・画数・意味
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世界大百科事典内の日光の言及
【影】より
…記紀神話には案外なほど中国神話や中国古代思想からの影響因子が多く,冒頭の〈天地開闢神話〉からして《淮南子(えなんじ)》俶真訓,天文訓などを借用してつくりあげられたものであり,最小限,古代律令知識人官僚の思考方式のなかには中国の陰陽五行説がかなり十分に学習=享受されていたと判断して大過ない。しかし,そのように知識階級が懸命になって摂取した先進文明国の〈二元論〉哲学とは別に,いうならば日本列島住民固有の〈民族宗教〉レベルでの素朴な実在論思考のなかでも,日があらわれれば日光(ひかげ)となり,日がかくれれば日影(ひかげ)となる,という二分類の方式は伝承されていたと判断される。語源的にも,lightのほうのカゲは〈日気(カゲ)ノ義〉(大槻文彦《言海》)とされ,shadeやdarknessを意味するヒカゲは〈祝詞に日隠処とみゆかくるゝを略(ハブ)き約(ツ)ゞめてかけると云(イフ)なり〉(谷川士清《和訓栞(わくんのしおり)》)とされている。…
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