出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
…また,岩壁の地下水がしみだしたり,雲霧が凝結して水滴を落とすような湿潤な裂け目には,ミヤマダイモンジソウ,ムカゴユキノシタ,ヒメセンブリ,クロクモソウなどが生育する。 火山活動の結果,火山灰が堆積したり,溶岩流によって形成された台地や凹地にはしばしば泥炭が堆積して水の浸透がさえぎられ,高層湿原が発達する。こうした場所には各種のミズゴケが生えるが,ワタスゲ,ヤチカワズスゲ,イワイチョウ,タテヤマリンドウ,イワショウブ,キンコウカ,ミヤマイ,ミネハリイなどが群生する。…
…栄養物質に富み酸性度も高くない水に涵養される鉱物質栄養性(富栄養性)湿原fenと,涵養水が雨水に限られ,栄養物質が少なく酸性の水に涵養される降水栄養性(貧栄養性)湿原bogとに大別され,中間のものを中栄養性湿原という。地下水位との関係でできた語で,よく用いられている低層湿原low moor,中間湿原middle moor,高層湿原high moorという呼び方は,それぞれ貧・中・富栄養性湿原の意味で使われている。
[湿原の遷移]
泥炭湿原のでき方には,湖沼の陸化による場合と,草原や森林の排水不良や湧水での沼沢化による場合とがあり,沼沢湿原,低層湿原,高層湿原へと進行するのが普通である。…
※「高層湿原」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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