川治(読み)かわじ

改訂新版 世界大百科事典 「川治」の意味・わかりやすい解説

川治[温泉] (かわじ)

栃木県北西部,日光市の旧藤原町にある温泉。鬼怒川と男鹿川の合流点の段丘上を占める。温泉は1723年(享保8)に発見されたとされるが,長く近在の人々の湯治場であった。国鉄日光線,藤原軌道(今市~藤原間,1943年に東武鉄道に合併)と東武日光線が相次いで開通した1920年代以後,温泉観光地として開発が進んだ。同じく,これら交通機関の整備によって急速に開発された鬼怒川温泉から約10kmはなれて位置するため,現在でも川治は鬼怒川温泉よりひなびた,静かな温泉観光地である。単純泉,42~47℃。竜王峡に代表される鬼怒川,男鹿川の渓谷美,五十里(いかり)湖,川俣湖など周辺の観光資源にも富む。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報