金精峠(読み)こんせいとうげ

日本歴史地名大系 「金精峠」の解説

金精峠
こんせいとうげ

市の北西端の金精山(二二四四メートル)とその北東温泉ゆせんヶ岳(二三三二・九メートル)鞍部にある。標高二〇二四メートル。群馬県境に位置し、峠西側は群馬県利根とね片品かたしな村。金精神社(金精権現)小祠がある。「日光山志」には、峠の古名はこむら峠であったが、転じて「きむら」となり、さらに金精権現の信仰にちなんで「きまら」と称するようになったと記す。また「人境をはなれたる山道なり。(中略)常に人の通行なし」ともある。西の金精山は溶岩円頂丘火山。南東山腹の笈吊おいつる(笈ヅリ)は日光修験の補陀洛夏峰の行場で、高さ約七〇〇メートルの垂直岩場である。

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改訂新版 世界大百科事典 「金精峠」の意味・わかりやすい解説

金精峠 (こんせいとうげ)

栃木県日光市と群馬県片品村の境界,金精山と温泉ヶ岳ゆぜんがたけ)との鞍部に位置する峠。標高2024m。性器崇拝の神である金精大明神をまつる金精神社が峠の上にある。奥日光最高所の峠で,ここから白根山温泉ヶ岳への登山路が通じる。湯元と菅沼を結ぶ有料の金精道路(国道120号線の一部)が1965年に開通し,峠直下は長さ755mの金精トンネルとなっている(1995年無料開放)。このトンネルの開通によって奥日光と群馬,新潟方面が結ばれ,日光観光圏と上信越観光圏を結ぶ観光ルートが開かれた。冬は積雪のため自動車の通行を休止する。
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百科事典マイペディア 「金精峠」の意味・わかりやすい解説

金精峠【こんせいとうげ】

栃木・群馬県境,日光白根山の北にある標高2024mの峠。名は峠上にあった金精神社に由来。菅沼,温泉(ゆぜん)ヶ岳が近く湯ノ湖,男体山の展望もすぐれ,日光国立公園に属する。金精道路(国道120号線)が峠下をトンネルで通じる。
→関連項目奥日光

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「金精峠」の意味・わかりやすい解説

金精峠
こんせいとうげ

栃木県日光市と群馬県利根(とね)郡片品村(かたしなむら)との境、温泉(ゆせん)ヶ岳と金精山との鞍部(あんぶ)の峠。標高2024メートル。峠に金精神社が祀(まつ)られており、金精山から白根(しらね)山への登山路などが通じている。峠の下を長さ755メートルの金精トンネルがうがたれ、日光湯元(ゆもと)と菅(すげ)沼を結ぶ8.14キロメートルの金精道路が1965年(昭和40)に開通し、日光―沼田間の国道120号全線の自動車交通が可能となった。しかし、冬は雪のため閉鎖する。

[平山光衛]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「金精峠」の意味・わかりやすい解説

金精峠
こんせいとうげ

旧名は 樾 (こむら) 峠。栃木県日光市と群馬県片品村の境にある峠。標高 2024m。金精権現がまつられ,晴れた日の奥日光方面の眺望はすばらしい。金精道路がこの下をトンネルで通過。日光国立公園に属する。

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事典・日本の観光資源 「金精峠」の解説

金精峠

(栃木県日光市)
とちぎの景勝100選」指定の観光名所。

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