精選版 日本国語大辞典 「掛・懸」の意味・読み・例文・類語
がけ【掛・懸】
① 名詞に付いて、それを身に着けている意を表わす。
② 「心」あるいはこれに類する名詞に付いて、心中にいつもあることを抱いている意を表わす。常に気にしている意。「心がけ」「思いがけない」など。
③ 名詞に付いて、それを賭けることを示す。
※浄瑠璃・吉野都女楠(1710頃か)二「命がけの盗して」
④ 動詞の連用形に付いて、その動作の途中、その動作のついでの意を表わす。かけ。
※玉塵抄(1563)三七「故人の所えとまりがけに行とき路に迷たことか」
※虎明本狂言・腰祈(室町末‐近世初)「もどりがけに都へ参て、あふてはぐろへかへらふ」
※生(1908)〈田山花袋〉一一「鰯が今日は廉かったと夫が帰り懸(ガ)けに見て来ていふ」
⑥ 和語の数詞に付いて、その数だけの倍数であることを示す。
⑧ 人数を表わす数詞に付いて、いすなどがその人数だけ腰かけられることを示す。「三人がけ」など。
か・く【掛・懸】
[1] 〘他カ五(四)〙
① ある所に物の一部をつけてつなぎとめる。掛ける。
② (構) 組み立てたり、編んだりして作る。
※書紀(720)武烈即位前・歌謡「大君の 八重の組垣 哿哿(カカ)めども 汝(な)をあましじみ 哿哿(カカ)ぬ組垣」
③ (下帯を)結ぶ。締める。
④ (「あぐらをかく」の形で) 足を組んですわる。
※虎明本狂言・察化(室町末‐近世初)「『心得た』と云て、あぐらかひているなり」
※はやり唄(1902)〈小杉天外〉八「胡坐(あぐら)を組(カ)いたままで一寸お点頭(じぎ)して」
[2] 〘他カ下二〙 ⇒かける(掛)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報