戦記(読み)せんき

精選版 日本国語大辞典 「戦記」の意味・読み・例文・類語

せん‐き【戦記】

〘名〙 戦争に関する記録。戦争の有様を記録した書物軍記。〔布令字弁(1868‐72)〕
※国文学読本緒論(1890)〈芳賀矢一〉三「源平盛衰記平家物語、保元平治物語等の諸戦記相踵いで世にいでたり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「戦記」の意味・読み・例文・類語

せん‐き【戦記】

戦争や戦闘ありさまを記録したもの。戦争の記録。軍記。
[類語]軍記軍書兵書

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「戦記」の意味・わかりやすい解説

戦記
せんき

戦争の記録。記録としては事実の報告や資料の提出や統計や図版までを含むが、記録がおのずと文学的な表現になっている場合をいう。古代ローマのカエサルシーザー)が、故国政府に伝えるために書いた彼のフランス征服軍の戦闘報告である『ガリア戦記』は、そういう優れた戦記の代表的なものである。またシラー晩年に書いた『三十年戦争史』、スメドレーの八路軍従軍記録である『中国は抵抗する』なども優れた戦記といえる。日本では大岡昇平の『レイテ戦記』も、そういう性質に近い。

 一方、戦争叙述が文学的意図で書かれることもあるが、それらは英雄叙事詩とか騎士物語、軍記物語、あるいは近代のものは戦争文学などとして、いちおう区別される。

小田切秀雄

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「戦記」の意味・わかりやすい解説

戦記 (せんき)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「戦記」の意味・わかりやすい解説

戦記
せんき

戦争,あるいは戦闘に関する記録。政府,軍などの公的機関により編纂されるものと,個人によって私的に記述されるものとに分れる。 (→戦史 )

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

普及版 字通 「戦記」の読み・字形・画数・意味

【戦記】せんき

軍記。

字通「戦」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の戦記の言及

【軍記】より

…この武者の登場による動乱を作品の主題とするのが〈軍記〉である。〈軍記物〉〈軍記物語〉〈戦記〉〈戦記物〉〈戦記物語〉とも呼ばれるが,いずれの名称も新しく,明治以後の用語である。現存の作品は,〈記〉〈物語〉の名称を有するが,古くは〈合戦状〉〈戦物語〉などと呼ばれた。…

※「戦記」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android