志摩(福岡県の地名)(読み)しま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「志摩(福岡県の地名)」の意味・わかりやすい解説

志摩(福岡県の地名)
しま

福岡県北西端、糸島郡(いとしまぐん)にあった旧町名(志摩町(まち))。1965年(昭和40)志摩村が町制施行。2010年(平成22)前原(まえばる)市、二丈(にじょう)町と合併して糸島市となる。丘陵性の小山地が起伏する糸島半島西半部と海上の姫島(ひめしま)からなる。沿岸対馬(つしま)海流の影響で温暖、ハマユウが群生する。主産業は農業で稲作のほかミカン、イチゴ、野菜、花卉(かき)栽培が盛んである。漁業沿岸漁業が中心で、酒造の季節労働も行われている。国指定天然記念物である芥屋大門(けやのおおと)のほか、幣の松原(にぎのまつばら)、桜井二見ヶ浦(ふたみがうら)、野北(のぎた)牧場、小富士(筑紫富士(つくしふじ))ともよばれる可也山(かやさん)(365メートル)など景勝地が多く、玄海(げんかい)国定公園に指定されている。国指定重要文化財の阿弥陀如来(あみだにょらい)坐像がある西林寺(さいりんじ)、桜井神社、姫島の野村望東尼(もとに)配流の記念碑など名所も多く、観光開発が進んでいる。また、弥生時代の人骨が出土した新町支石墓群(国指定史跡)がある。

[石黒正紀]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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