三重県(読み)みえ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三重県」の意味・わかりやすい解説

三重〔県〕
みえ

面積 5774.49km2(境界未定)。
人口 177万254(2020)。
年降水量 1581.4mm(津市)。
年平均気温 15.9℃(津市)。
県庁所在地 津市
県木 ジングウスギ(→スギ)。
県花 ハナショウブ
県鳥 シロチドリ

本州中部,近畿地方南東部の県。紀伊半島東岸に位置し,伊勢湾熊野灘に臨む。県のほぼ中央部,伊勢湾口から櫛田川河谷に沿って中央構造線が東西に貫くため,地形は南北で大きく異なる。北部は断層地形の鈴鹿山脈布引山地を中心に,東に伊勢平野,西に上野盆地があり,海岸線が単調であるのに対し,南部は紀伊山地が海岸に迫り,平地は少なく,海岸は典型的なリアス式である。古代から近世まで伊勢国,伊賀国,志摩国,紀伊国 (一部) の4国に分かれており,地形的にはそれぞれ伊勢平野,上野盆地,志摩半島,熊野灘沿岸に位置し,それぞれが独自の生活圏を形成していた。江戸時代の所領配置も複雑で,文化1 (1804) 年頃の藩は長嶋藩,桑名藩,八田藩,菰野藩,亀山藩,神戸藩,津藩,久居藩,鳥羽藩,紀州藩の 10藩にも及び,ほかに伊勢神宮領や専修寺などの寺社領,天領も少なくなかった。廃藩置県に際し,当初,今日の北勢,中勢,伊賀を範囲とする安濃津県と一志,飯南以南の度会県になり,1876年2県が合併して今日の三重県となった。県域の約3分の2が山林で,良質の紀州材を産するほか,イワシ,カレイ,貝,ノリを中心とする伊勢湾内の内湾漁業,真珠,ハマチの養殖を中心とする熊野灘の沿岸漁業,ブリ,カツオ,マグロの沖合・遠洋漁業が行なわれる。工業は北部を中心に,第2次世界大戦前からの繊維,鋳物,陶器などがあり,戦後は四日市市の石油化学コンビナート,鈴鹿市の自動車,オートバイ工場などが加わり,中京工業地帯の一部を構成。近年は中部の津市,松阪市,西部の上野盆地にも工業化が拡大した。伝統工業に伊勢型紙,伊賀の組紐,四日市市の万古焼,伊賀市の伊賀焼がある。静岡,鹿児島に次ぐ茶の産地でもある。また,日本有数の観光県でもあり,伊勢志摩国立公園,吉野熊野国立公園をはじめ,室生赤目青山国定公園,鈴鹿国定公園のほか,香肌峡県立自然公園,水郷県立自然公園など5ヵ所の県立自然公園があり,第3次産業従事者も多い。主要交通は北部を東名阪自動車道,JR関西本線が,海岸部を伊勢自動車道,JR紀勢本線などが通じる。

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事典 日本の地域ブランド・名産品 「三重県」の解説

三重県

東海地方西南部に位置する県。南北に細長く、中央を流れる櫛田川に沿った中央構造線によって、大きく北側の内帯地域と南側の外帯地域に分けられる。西部は山脈や山地に囲まれ、東部は伊勢湾と熊野灘に面している。気候は地域差が大きい。水産業・製造業が盛ん。県花は、ハナショウブ。県木は、神宮スギ。県鳥は、シロチドリ。県魚は、伊勢えび。県獣は、カモシカ。

[三重県のブランド・名産品]
阿漕焼 | 浅沓 | 朝熊小菜 | あのりふぐ | あわび | 伊賀くみひも | 伊賀肉 | 伊賀焼 | 伊勢赤どり | 伊勢一刀彫 | 伊勢いも | 伊勢うどん | 伊勢えび | 伊勢型紙 | 伊勢紙 | 伊勢玩具 | 伊勢春慶 | 伊勢たくあん | 伊勢茶 | 伊勢の神殿 | 伊勢の提灯 | 伊勢の根付 | 伊勢ひじき | 伊勢木綿 | 市木木綿 | 大内山牛乳 | 尾鷲わっぱ | きんこ | 熊野花火 | 桑名鋳物 | 桑名箪笥 | 桑名のハマグリ | 桑名刃物 | 桑名萬古焼 | 桑名盆(かぶら盆) | 芸濃ずいき | 地張り提灯 | 真珠 | 鈴鹿墨 | 関の桶 | 高田仏壇 | 竹細工 | 多度の弾き猿 | なすび団扇 | 那智黒石 | 南紀みかん | 日永うちわ | 火縄 | ひのき | 深野紙 | 松阪赤菜 | 松阪牛,松阪肉 | 松阪の猿はじき | 松阪萬古焼 | 松阪木綿 | 的矢かき | 三重なばな | みえ豚 | 四日市の提灯 | 四日市萬古焼 | 和太鼓

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報

精選版 日本国語大辞典 「三重県」の意味・読み・例文・類語

みえ‐けん みへ‥【三重県】

近畿地方東部の県。伊勢・伊賀・志摩の三か国と紀伊国の東部とからなる。明治四年(一八七一)の廃藩置県により、安濃津(あのつ)・度会(わたらい)の二県が成立。翌年、安濃津県は三重県に改称され、同九年に度会県を合併して現在の県域が定まる。県庁所在地は津市。

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デジタル大辞泉 「三重県」の意味・読み・例文・類語

みえ‐けん〔みへ‐〕【三重県】

三重

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